6歳差姉弟を育てるママライターEMIです。両親の介護体験をもとに、介護に関する記事を書いています。
間近に迫る、「2025年問題」。戦後のベビーブームに生まれた団塊の世代が75歳になり、後期高齢者が急増。それによって、介護難民も増えるのではないかと危惧されています。
そこで、今回は後期高齢者が急増する2025年に向けて「介護難民にならないための対策」を考えました。
「介護難民」とは?増えるとどうなるの?
「介護難民」とは介護が必要にもかかわらず、介護サービスが受けられず困っている人のことを指します。
在宅介護をしてくれる家族がいないだけでなく、病院や介護施設でも受け入れてもらえず、適切な介護サービスが受けられない状況のことです。
歯止めがきかない少子化、介護業界の人材や介護施設の不足から、団塊の世代が75歳になる2025年には、介護難民が急増するのではないかと言われています。
厚生労働省の「令和2年度 介護保険事業状況報告」によると、要介護者・要支援者数は、2000年から2021年3月時点で約2.6倍に増加。
要介護者は増加傾向にありますが、介護業界の人材や介護施設は不足。特に都心の特別養護老人ホームは、入居待ちのところが多く、すぐには入居できないのが現状です。
また、介護人材の不足により、施設があっても入居人数を制限している所も…。
このように、要介護者は増加する一方で、介護人材や施設が不足し、受け入れ先がなくなると家族が仕事をやめて介護をせざるを得なくなったり、老々介護などを強いられることが考えられるのです。
亡くなった父も、介護難民になりかけた
亡くなった私の父も、介護難民になりかけたことがあります。
認知症の母とサ高住(サービス付き高齢者住宅)に入居していた父は、体調不良により3カ月ほど入院していました。
しばらくして入院の原因となった病気は完治しましたが、長引く入院で体力が低下し、持病も悪化。寝たきり状態になってしまいました。
そのため、退院後に母と入居していたサ高住(サービス付き高齢者住宅)へ戻って生活することが難しくなったのです。
そこで、もう少し手厚い介護が受けられる施設を探さなければなりませんでした。
比較的料金が安い特別養護老人ホームへ申込をするも、入居待ちの人が多く、すぐに入居することはできず…。ほかの有料老人ホームを探すことにしました。
父の入居を受け入れてもらう有料老人ホームが見つかり契約を済ませ、退院に向けて準備を進めているとまさかの事態が…。入居前の面談に進むタイミングで、父の容態がさらに悪化してしまいました。
その結果、入居予定の有料老人ホームから「いまの状態での受け入れは難しい」と入居を断られてしまい…。
「やっと見つけた施設なのに…また、施設を探さなければならないのか」と、私は愕然としました。
契約を済ませていた施設から受け入れを断られてしまったのに、病院からは「治療が必要な病気は完治したので、早く退院後に生活可能な施設を探してください」と退院を迫られます。
しかも、もし施設が見つからない場合は「自宅に戻ることも考えてください」と言われてしまったのです。
病院の方でも転院できそうな病院を探し、連絡をとってくれていましたが、すべて受け入れを断られてしまいました。
体調が安定せず以前より介護が必要になった父は、病院にもいられず、介護施設・転院先の病院からも受け入れを断られ、「介護難民」になってしまいました。
その後老人ホーム紹介会社を通じて、父は医療行為を受けられる療養型の老人ホームに入居することができましたが、入居して1カ月後に亡くなりました。
今後、私の父のように介護が必要なのにも関わらず、病院にも施設にも受け入れてもらえないという悲惨な状態にならないためにも、早いうちから「介護難民ならないためにできること」を考えていきましょう。