「引っ越しの挨拶はしない方がいい」と、最近よく聞きますよね。
これまでは、引っ越したら近隣の住民には挨拶をするのが一般的でしたが、いまはどうやらそうではないようです。
挨拶まわりをしない派の声を聞くと、特に一人暮らしの場合は単身世帯であることが知られたことにより防犯上の不安がより強まる可能性や、反対に不審がられてしまう可能性があるとのことでした。
今回は、引っ越しの挨拶まわりがきっかけで近隣住民とトラブルになってしまったという人に詳しくお話を伺ってきました。
「いまの若い人は…」嫌味を言われて不快!(20代/女性/兵庫県の賃貸ハイツ)
「とあるハイツで一人暮らしを始めたときの話です。女性の場合は、引っ越しの挨拶はしない方がいいと聞いていたのでしませんでした。
ある日、朝ゴミ捨てに行くときにドアを開けると、隣の家の人と鉢合わせして。そのとき初めてどんな方が住んでいるのか知りました。
60歳くらいの方で、『おはようございます』と挨拶すると、『前に住んでいた人と違うね。いまの若い人は挨拶とか来ないんだね』と嫌味を言われました。
朝からややこしいなと思いましたが、お隣さんなので円満にしておいたほうがいいですよね。
だから、『すみません。女性が一人で住んでいることをあまり公にしたくなかったんです。これからどうぞよろしくお願いします』と笑顔を作って伝えたのですが…。
『失礼な!私が何かするとでも思っているのですか!?』と怒られたんです。その日一日、ずっと不快な気分でした。
その後も隣人と会うのが嫌で。そんなストレスから半年で引越しました」
涙が出るほど怖く、いまでも思い出すトラウマ(20代/女性/埼玉県の賃貸マンション)
「大学時代に一人暮らしを始めたときのことです。親に『挨拶をするべきだ』と言われ、粗品を持って両隣の部屋の人に挨拶をしました。
2人とも女性だったので安心しましたが、1人が同じ大学だったようで、挨拶の際にやけにニヤニヤしていたのが気になりました。
すると2日後くらいに突然チャイムがなり、その女性から『一緒に飲みませんか?』と誘われて。
隣同士だし、仲良くなるのもいいかなと思いドアを開けると、その子の後ろには何人かの男性がいました。
驚いてすぐに断ってドアを閉めたのですが、ずっとドアの向こうから笑い声や『おーい!飲もうよー!』という声が聞こえてきたんです。
それから同じようなことが続き、ドアをノックされることもあったので、怖くなり親に相談して引っ越すことにしました。
初めての1人暮らしということもあり、涙が出るほど怖かったですし、いまだにチャイムがなるとそのときのことを思い出します」
あえて居留守を使ったのに!(40代/女性/奈良県の賃貸マンション)
「一人暮らしの人が多いマンションに住んでいます。大体の方が引っ越しの挨拶などはせずに生活していて特にトラブルもありません。
だからといって顔を合わせたときに挨拶をしないわけではなく、すれ違うときちんと挨拶をするようなところに住んでいます。
ある日、ひとつしたの階に引っ越してきた人がチャイムを鳴らしてきました。
引っ越し業者の車も来ていたので、きっと挨拶だなと思ったのですが、インターホン越しに見ると男性だったので出たくなくて居留守を使いました。
その日は諦めて帰ったのですが、そのときドアノブに引っ越しの挨拶のものがかけてあり、無言でもらうのも気になるのでとても困りました。
もらった後お礼を言いに挨拶に行かないといけないのですが、こちらとしては顔を合わせたくなかったので、とても気が引けましたね…。
仕方なくインターホンを鳴らして挨拶に行きましたが、とても不快でした。
挨拶するのが当たり前と思っている人もいると思いますが、挨拶しないのが当たり前と思っている人もいるので、もう少し雰囲気を見てどちらがいいのか考えてほしいなと思いました」
大家に挨拶したら家賃を上げられた(40代/女性/愛媛県の賃貸マンション)
「以前、賃貸マンションに引っ越したときの話です。
そのマンションは不動産会社を通して契約しましたが、この賃貸物件は少し安いかわりに大家管理物件でした。つまり、何かあれば不動産会社ではなく大家に連絡をするという契約だったんです。
正式契約後、マンションに引っ越してしばらく経ったときに大家から『引っ越しの挨拶に来てくれ』と連絡がありました。
忙しい合間をぬって車で10分ほどの距離にある大家の自宅に行ったのですが、そこで告げられたのは『家賃を上げさせてもらうから』という一方的な通告でした。
私は『契約上家賃は2年間有効のはずだ』と訴えましたが、相手は聞く耳を持ちません。
不動産会社の担当者にも相談したのですが、実はあの物件の大家は以前にもトラブルを起こしていることを告げられました。
そんなことなら先に話しておいてくれよと不満に思いましたが、引っ越したばかりでお金もあまりなかったのでまた引っ越すわけにもいかず、しぶしぶ家賃値上げの条件を飲んだ苦い記憶があります。
今後二度大家管理物件は契約しないことと、うかつに挨拶に行けば相手の思うつぼだといういい経験になりました」
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