皆さん、こんにちは、肩こり博士の吉田一也です。
「最近、深呼吸していますか?」
こう聞くと、多くの方が少し考え込んでしまいます。
現代人は仕事や家事、スマートフォンの使用などによって、無意識のうちに呼吸が浅くなっています。
呼吸が浅くなると酸素が不足するだけではありません。
実は、肩が動きにくくなり、肩こりや首こりの原因にもなってしまうのです。
今回は、肩と呼吸の意外な関係についてお話しします。
呼吸は「肺」だけで行っているわけではない

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「呼吸は肺がしている」そう思われがちですが、実際には違います。
肺そのものは、自分で膨らんだり縮んだりすることができません。
肺を動かしているのは、肺を包み込む「胸郭(きょうかく)」という骨組みです。
胸郭は、
- 胸骨(胸の真ん中の骨)
- 12対の肋骨
- 胸椎(背骨)
によって作られています。
さらに、横隔膜や肋間筋などの筋肉が協力することで、この胸郭が風船のように広がったり縮んだりして、肺に空気が出入りしています。
つまり、呼吸とは「胸郭の運動」そのものなのです。
1.肩は胸郭の上で動いている
ここで肩に話を戻しましょう。肩甲骨は腕の土台になる骨ですが、この肩甲骨は胸郭の上に乗っています。
つまり、肩甲骨は、胸郭のカーブに沿って肋骨と一緒に動いているのです。
- 肩を上げる
- 腕を後ろへ回す
- 洗濯物を干す
こうした動きでは肩甲骨と肋骨が大きく動きます。そして、その土台になっているのが胸郭です。
2.胸郭が硬いと肩も硬くなる
例えば、胸が丸まった姿勢で長時間スマートフォンを見ているとどうなるでしょう。
肋骨はほとんど動かなくなります。胸椎も丸まり、胸郭全体が硬くなります。すると、その上に乗っている肩甲骨も十分に動けません。
まるで、凍った地面の上でスケートをしようとしても滑れないような状態になります。
肩そのものに問題があるように感じても、実際には土台である胸郭が動いていないことが少なくありません。
呼吸が浅い人ほど肩に力が入りやすい

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呼吸が浅くなると、本来主役である横隔膜だけでは十分な呼吸ができなくなります。
そこで体は応援を呼びます。それが、首や肩についている筋肉です。
代表的なのは、
- 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
- 斜角筋(しゃかくきん)
- 僧帽筋(そうぼうきん)
などです。
これらは本来、頭や首、肩を支える筋肉ですが、呼吸が苦しくなると「呼吸補助筋」として働き始めます。
つまり、息をするたびに肩の筋肉まで働いてしまうのです。
これでは肩が休む時間がありません。
肩こりの方の多くが、「何もしていないのに肩が疲れる」と感じる理由の一つでもあります。
深呼吸は胸郭のストレッチになる

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深呼吸をすると、肋骨は上下・左右・前後へと大きく広がります。
胸椎も自然に伸びます。横隔膜もしっかり上下します。
つまり、深呼吸そのものが胸郭全体の運動になります。
さらに、胸郭が柔らかくなると、肩甲骨も滑るように動き始めます。
その結果、肩の可動域も広がりやすくなるのです。
私は施術の現場でも、肩だけを触る前に、まず呼吸を整えたり胸郭の動きを改善したりすることが少なくありません。
すると、肩が驚くほど動きやすくなることがあります。
今日からできる「呼吸リセット」
ぜひ一日に数回、こんな呼吸を試してみてください。
- 椅子に浅く腰掛けます。
- 背すじを軽く伸ばします。
- 鼻から4秒かけてゆっくり息を吸います。
この時、お腹だけでなく、脇腹や背中にも空気が入るイメージを持ちましょう。 - 口から6〜8秒かけてゆっくり吐きます。
肩に力を入れず、肩が自然にストンと下がる感覚を意識してください。
これを5回ほど繰り返すだけでも十分です。
大切なのは、「たくさん吸うこと」ではなく、胸郭全体を動かすことです。
肩は「呼吸する体」の一部

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肩を治そうとすると、どうしても肩だけを見てしまいがちですよね。
- 肩が痛い
- 肩が重い
- 肩が上がらない
そうすると、どうしても肩だけを揉んだりストレッチしたりしたくなります。
もちろん、それも大切です。しかし、肩は単独で動いているわけではありません。
肩甲骨は胸郭の上を肋骨と一緒に滑り、鎖骨は胸骨と連動し、胸郭は呼吸によって絶えず動いています。
つまり、肩は「呼吸する体」の一部なのです。
肩だけを見ていては、本当の原因を見逃してしまうことがあります。
肩こり改善の第一歩は…
呼吸は一日に約2万回繰り返されると言われています。
もしその2万回が浅い呼吸なら、胸郭は少しずつ硬くなり、肩も少しずつ動きにくくなっていくかもしれません。
逆に、胸郭がしっかり動く呼吸を身につければ、その2万回が毎日のセルフケアになります。
肩こり改善の第一歩は、肩を動かすことではなく、「呼吸を変えること」なのかもしれません。
今日からぜひ、深呼吸ではなく、「胸郭を動かす呼吸」を意識してみてください。
きっと肩の軽さだけでなく、姿勢や疲れやすさにも変化を感じられるはずです。
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