布団に入ってから、なかなか眠りに落ちない夜。天井を見つめながら「明日も仕事なのに」「早く寝ないと」と焦れば焦るほど、目は冴えていく…。そんな経験はありませんか?周りの人は毎晩ぐっすり眠れているように見えて、「こんなに寝つきが悪いのは自分だけなのでは」と、つい不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、アリナミン製薬株式会社が全国の20〜60代の社会人男女500名を対象に実施した「入眠に関する意識調査」をもとに、現代人の“寝つき”のリアルな実態を紐解いていきます。結論から言ってしまうと、「寝つきの悪さ」は決して特別な悩みではなく、多くの人が日常的に経験しているものでした。そして、その背景には「睡眠の質」という言葉だけでは片づけられない、体内時計との関係が隠れているようです。
「なかなか寝つけなかった夜」は珍しくない

image by:アリナミン製薬株式会社(via PR TIMES)
まず注目したいのは、直近1週間の“寝つきの悪さ”についての結果です。調査によると、59.0%の人が「1日以上、寝つきが悪かった」と回答しました。半数を超える人が、この1週間のうちに一度は寝つきの悪さを感じていたことになります。
さらに、「3日以上」あったと答えた人は28.0%、「5日以上」は12.6%、そして「毎日」寝つきが悪いと感じている人も8.2%存在しました。また、布団に入ってから眠るまでにかかる時間についても、「30分以上」かかると答えた人が28.2%、「1時間以上」も12.6%にのぼっています。
一晩なかなか寝つけなかったからといって、それ自体が深刻な問題というわけではありません。ただ、これだけ多くの人が寝つきの悪さを経験し、中には繰り返し悩まされている人や、日常的に入眠までに時間がかかっている人が一定数いるという事実は、「自分だけが特別に眠れていない」という思い込みを静かに否定してくれます。
寝つきの悪さは、翌日のコンディションにも影響する

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「寝つきが悪かった夜の翌日」に何が起きているのか。この点についても、興味深い結果が出ています。前日の寝つきの悪さが翌日のコンディションに「非常に影響する」と答えた人は20.0%、「影響する」は58.4%。合わせて78.4%もの人が、何らかの影響を自覚していました。
具体的な症状としては、「日中に強い眠気を感じた」が37.8%で最多。続いて「身体がだるかった・疲れが取れなかった」が36.4%、「やる気が出なかった」が27.4%という結果でした。
これはあくまで回答者自身の感覚を尋ねたものであり、寝つきの悪さが不調を直接引き起こしたと断定できるものではありません。それでも、「なんとなく調子が出ない」「やる気が湧かない」といった日中の感覚の裏に、前夜の寝つきの悪さが関わっている可能性があるとしたら…。夜の数十分の出来事だと軽く考えていた「寝つき」が、実は翌日一日の過ごし方にまで影響を及ぼしているのかもしれません。
「睡眠時間が足りない」と感じる人ほど、寝つきに時間がかかっていた

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平日の睡眠時間について尋ねた設問では、「足りていない」「全く足りていない」と回答した人が合わせて57.4%にのぼりました。そして、この回答を「普段寝つくまでにかかる時間」別に見てみると、寝つきに時間がかかる人ほど「睡眠時間が足りていない」と感じる割合が高くなる傾向が見えてきました。
ここで、整理しておきたいことがふたつあります。
ひとつは、「睡眠不足」と「不眠」は別のものだということ。睡眠不足は、仕事や生活によって必要な睡眠時間そのものを確保できていない状態を指します。一方、不眠は、寝つけない、途中で目が覚めるなど、眠ろうとしても思うように眠れない現象のことです。今回注目している「寝つきの悪さ」は、この不眠にあたります。
もうひとつは、「寝床にいる時間」と「実際に眠っている時間」は同じではないということ。たとえば夜11時に寝床に入り、朝6時に起きるとすれば、寝床で過ごせる時間は7時間です。しかし、眠りにつくまでに1時間かかれば、実際に眠れている時間はその分短くなります。ただでさえ忙しい毎日で睡眠時間を削らざるを得ない人にとって、「寝つきの悪さ」は、限られた睡眠時間をさらに目減りさせてしまう要因になっているのかもしれません。
「眠れない理由」は、ひとつではなかった

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「自分が眠れていない原因だと思うもの」を尋ねると、ストレス、運動不足、SNS・動画視聴、加齢など、実にさまざまな項目が挙がりました。年代によっても傾向は異なり、30代では「ストレス」が44.0%と最も高く、50代では「ストレス」36.0%に次いで「加齢」が32.0%となっています。
また、「入眠力が低下すると思う働き方」を尋ねた質問では、「生活リズムが不規則」が45.0%で最多、「人間関係のストレス」が41.6%で続きました。日々の働き方や人間関係の中に、寝つきづらさの原因を感じている人が多いことがうかがえます。
さらに興味深いのが、「眠れない理由は体内時計が乱れているからだと思うか」という質問への回答です。「非常に思う」「思う」と答えた割合は、20代64.0%、30代51.0%、40代55.0%、50代56.0%、60代44.0%。20代が最も高い数値となったものの、60代を除くすべての年代で半数を超えており、幅広い世代が「眠れないこと」と「体内時計の乱れ」を結びつけて考えていることがわかります。
これらはいずれも本人の実感であり、実際の原因を医学的に特定するものではありません。それでも、ストレスや生活リズム、加齢、体内時計など、「眠れない」という悩みの背景がひとつではなく、いくつも重なり合っていると感じている人が多いという事実は、多くの人にとって心当たりのある結果ではないでしょうか。
睡眠で気にしているのは「質」。でも、その中身は人それぞれ

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最後に、「自身の睡眠で最も気にしているもの」についてのランキングを見ていきましょう。
1位 睡眠の質が高いか(28.0%)
最も多かったのは「睡眠の質」でした。多くの人がまず気にするのは、時間の長さよりも“ぐっすり眠れたかどうか”という感覚のようです。ただし、この「質」という言葉が指す中身は人によって異なります。「なかなか寝つけないこと」を質の悪さと捉える人もいれば、「睡眠の量を含めた総合的な満足度」と考える人、あるいは「寝起きの心地よさ」を基準にする人もいます。つまり1位に挙げられた「質」は、実はかなり漠然とした言葉なのです。
2位 睡眠時間が確保できているか(15.0%)
2位は「睡眠時間」でした。1位とは13ポイントの差があり、多くの人にとって「量」よりも「実感としての満足度」のほうが気になるポイントであることがうかがえます。
3位 起床時の目覚めが良いか(13.6%)
3位は「目覚めの良さ」でした。眠り始めだけでなく、朝の目覚め方までを含めて睡眠の善し悪しを判断している人が一定数いることがわかります。
4位 入眠(寝つき)が良いか(9.6%)
4位は今回のテーマでもある「入眠」でした。ここまで見てきたように、寝つきの悪さを経験している人は59.0%にのぼるにもかかわらず、それを「最も気にしていること」として明確に意識している人は1割に満たないという結果です。この差は、「寝つきの悪さ」が漠然とした「睡眠の質の悪さ」の中に埋もれてしまい、はっきりと自覚されにくいことを示しているのかもしれません。
5位 睡眠中に起きないか(8.8%)
5位は「中途覚醒の有無」でした。最下位ではあるものの、1位からの差はわずか19.2ポイントであり、5つの項目のいずれもが一定数の支持を集めていることから、睡眠に対する不満や関心のポイントは、人によって本当にさまざまだということが読み取れます。
だからこそ大切なのは、「なんとなく睡眠の質が悪い」で片づけてしまうのではなく、自分の睡眠の具体的などこに問題があるのか。寝つきなのか、時間なのか、目覚めなのかを一度立ち止まって考えてみることなのかもしれません。
まとめ

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今回の調査から見えてきたのは、「寝つきが悪い」というのは決して特別な悩みではなく、実に多くの人が日常的に経験しているものだということです。
- 59.0%が直近1週間で1日以上、寝つきの悪さを経験している
- 78.4%が、寝つきの悪さによる翌日のコンディションへの影響を自覚している
- 寝つきに時間がかかる人ほど、睡眠時間が足りないと感じやすい
- 「眠れない理由」はストレスや加齢、生活リズム、体内時計など人によってさまざま
- 睡眠で気にしていることは「質」がトップだが、その中身は人によって異なる
「自分だけがうまく眠れていないのでは」と感じている方こそ、この数字を思い出してみてください。寝つきの悪さは、多くの人が抱えるごく身近な悩みであり、過度に心配する必要はありません。ただ、漠然と「睡眠の質が悪い」で終わらせるのではなく、自分の睡眠状態を理解し、体内時計を上手に生かしながら行動していく力、いわば「入眠力」を意識してみることが、より良い睡眠への小さな、しかし確かな一歩になるのかもしれません。
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