気に入らないことがあると、辺り構わず怒り出す。
ちょっとしたことでよく泣いてしまう。
場所見知り、人見知りが激しく、何かにつけて怖がっている。
その子の個性や特性、そのときの気分だと割り切っていても、ちょっと困ってしまったり、心配になってしまうことってありませんか?
子どもに気づきをもたらす画期的な絵本
「親が叱ったりなだめたりするのではなく、子ども自身が感情を切り替え、コントロールできるようになる」
このように評価され、教育・保育関係者のみならず、脳科学者からも注目を集めている絵本があります。
2019年9月に発売された『おこりたくなったら やってみて!』『かなしくなったら やってみて!』『こわくなったら やってみて!』(オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ ・著/垣内 磯子・訳)の3冊です。
ガストンの「呼吸セラピー」絵本と名づけられたこのシリーズは、ガストンというユニコーンの子どものキャラクターを通し、怒りや悲しみ、恐れといった扱いにくい感情を、簡単な呼吸法で落ち着かせる方法を子どもに教えてくれるフランスの絵本。
読むだけで脳が健やかに育つ?
子どもの脳の発達に詳しい小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子さんは、「この呼吸法を身につけることは、子どもにとっては将来的にも大きなプラスになると思います」と話します。
「第一に脳の発達が健全に促されます。子どもの脳は、怒りや悲しみ、恐怖などにさらされる時間が短いほど、健やかに育つことが脳科学の研究でわかっています。呼吸法で子どもが自らストレスとなる感情を手放せるようになることの意義は大きいですね」
一生トクする「自己肯定感」が身につく
もうひとつのメリットは、自己肯定感が上がること。
「子どもは、この絵本の読み聞かせを通じて、自分は自分で感情を切り替えるができるのだ、不安があっても自分は大丈夫なんだ、と自信と自己肯定感をもてるようになるでしょう。これは子どもにとって、大きな財産になり得ます。コミュニケーションにも勉強や仕事にも、不安なくのびのび取り組むことができる。一生トクしますよね」