私がコミュニケーションの講師として活動を始めてから早10数年。結構な頻度でご相談いただくのが「あの手この手を尽くしたが、どうしてもうまく意思疎通がはかれない」ということでした。
なんとかしようとがんばってきた。さまざまなやり方を模索して、たくさん本も読んだ。それでもどうしてもうまくいかず、ちっともよくなっているように思えない。どうしたらいいのでしょうか…と。
コミュニケーションに「正解」はない
何をしてもいまいち効果が感じられず、お相手との関係もよくなっているような気もしない。そんな状態が続くと疲れますし、嫌になりますよね。
あなたが一生懸命考えているのに、お相手はのんびりぼんやりしているように見えてしまい、なおさら腹立たしさを感じることもあるでしょう。
でも、もし何をしてもうまくいかないことがあったら、疲れ果てて諦める前に、少しだけ考えてみていただきたいことがあります。
それは、「いまあるやり方でなんとかしようとしていませんか?」ということです。
これまでの経験や、誰かのアドバイス、本を読んだりすることのなかには、確かにたくさんのヒントが詰まっています。でも、だからといってそれだけが「正解」ではありません。
そのときうまくいったのは、そのときだったから。その人がうまくいったのは、その人だったから。まったく同じ状況、まったく同じ人間ではないのに、まったく同じやり方でまったく同じような効果があるわけではないですよね。
うまくいかないのは、やり方が間違っているのではなく、いま向き合っているお相手に、その方法が合っていないから。相手にあった方法でないのであれば、効果がないのも当たり前です。
何をしてもうまくいかなかったら、過去を探るより未来を探ってみてください。自分なりに、相手に合った新しいやり方を考えてみてください。