今回は40代後半の既婚男性から、「貯金がなく、子どもを大学に行かせるべきか悩んでいます。どう思いますか?」と、お子さんの進学についてご相談いただきました。
当人は年収500万円で、奥さまはパート主婦、子どもは2人で上の子が高校2年生。貯金はほぼないそうです。いままでは貯金ができなくても何とかなったものの、ふと大学費用を知り、危機感を募らせたとのことでした。
実に重く、難しい問題ですね…。ここは冷静に、そして慎重に考えましょう。今回は、貯金がない状態での子どもの進学について大切なポイントをお伝えします。
「進学しない」という選択肢
さて、まずは基本ですが「子どもに進学を諦めてもらう選択肢も持つ」、このような視点も重要といえます。まず、貯金がなくても子どもを進学させることは可能です。国や民間の教育ローンがありますし、奨学金もあります。ただしこれらは「借金」でしかなく、将来的に利子をつけて返済しなければなりません。
そして大学費用は4年間で700~750万円ほど必要です。返済期間は、おおむね10~15年程度になります。仮に750万円を15年返済なら、毎年50万円の返済です。
子ども2人なので、いずれ倍額の返済になります。いままで貯金できなかった家計で、返済できるでしょうか?完済する前に定年を迎える可能性も高く、完済できたとしても無貯金で老後突入です。
相応の額を子どもに奨学金で負担してもらう方法もありますが、奨学金は想像以上に負担が重く、さまざまな足かせになります。就職や転職、結婚、在学中の勉強さえバイトで不十分にも…。ヒドいときは奨学金で破産し、親が連鎖破産することもあります。
もっとも…進学を諦めたほうが親子にとって幸せともいえません。大学に進学した方が就職や結婚などに有利なケースはまだまだ多いでしょう。どのみち、あなたは老後資金への準備が待ち受けています。進学させるか否か、どちらを選んでも厳しいかもしれませんが、まずはじっくり、それぞれの選択の未来を考えましょう。