突然ですが、みなさんは「努力は報われる」と思いますか?それとも「努力しても報われない」と思いますか?以前知ったのですが、神奈川県横浜市では毎年「市民意識調査」を実施しているそうです。
そのなかで「いまの世のなかは努力すれば報われる社会か?」という項目があります。2016年度の調査結果では、「努力は報われると思わない」と答えたのが43.4%、「報われると思う」が15.2%だったそうです。
過去の結果と比較すると、バブル時代の1988年度の調査では44.2%が「努力は報われると思う」、26.7%が「そう思わない」と答えています。約30年前と比較すると、「努力は報われると思う」が44.2%から15.2%に減り、「そう思わない」が26.7%から43.4%に増えていることがわかります。
「どうせ努力しても何も変わらない」といったような、ある種、あきらめのような感覚を持っている人が増えているということでしょうか。
でも、努力しなきゃ報われない
ちなみに、これを当時毎日新聞が報道したところ、ネットではさまざまな意見が飛び交ったそうです。たとえば、次のような意見です。
「こんなの当たり前」「ほんとふざけた社会。こんな世のなかで頑張ろうとする人はマゾとしかいえない」「努力をしただけではダメで、結果が出なければ評価はされない」「努力しても必ず報われるわけじゃないけど、努力しなきゃ報われない」。
ところで、人の意見は、その人の体験によって形成されます。その人の実体験や見聞きしたことが、その人の意見のベースとなるのです。
ですから、「努力は報われる」と思う人は、自分が努力した結果、それが報われたと感じる体験をしていると考えられます。
一方、「努力は報われない」と思う人は、努力しても報われたと感じられなかった体験を数多くしている、ということになるでしょう。つまり、上記の調査結果によると「努力しても報われたと感じられない」という体験をしている人が多いということが考えられるのです。
努力しても努力してもちっとも報われないと感じられないとき、人は「無力感」を感じます。自分にはもうどうすることもできない、という絶望の感覚。これが「無力感」です。無力感を感じると、何もやる気が起きなくなります。
がんばってもがんばっても、自分にはどうすることもできない。こういとき、「がんばってもムダだ」という感覚になります。これを「学習性無力感」といいます。「がんばってもムダだ」という無力感を学習した、ということです。