子育て中はやらなければならないことが山積みで忙しく、ふとしたときに「心は育てられている?」と不安になる親御さんが多くいるようです。
0歳と1歳10カ月のふたりのお子さんを育てるママから「子どもが生まれ、毎日が大忙しで、自分の気持ちに余裕が持てません。三つ子の魂百までというので、いまの時期がとても大切なのにと焦ります。子どもの心を育てなくちゃと思うのですが、なかなかできません」とご相談をいただきました。
今回は、そんなママやパパのために、短い時間のコミュニケーションとスキンシップで子どもの心を育てるためのコツと心の発達を確かめる3つのポイントをご紹介します。
抱っこという魔法!
お子さまのお誕生、おめでとうございます。おむつ換えやミルクなど育児に大忙しで本当に大変ですね、お察しします。「心を育てる」という思いがあれば焦らなくても大丈夫です。心を育てるためには、親として何に心がけるのがよいのかお伝えします。
1.心の育児は手作り
どんなテクノロジーが発達しても、子どもの心を育てることは、手作りです。動物のなかで1番未熟な脳を持って生まれる人間は、赤ちゃんに多くの手を掛け、守り、慈しんでいかなければ育ちません。
だからこそ人間には心、言葉、文化が発達したのです。親として、毎日、必ず、子どもの目を見て愛していることを伝えるよう心がけましょう。
2.子どもの感情を否定しない
赤ちゃんは泣きたいときに泣きます。成長し、言葉を話せるようになってくると親は子どもが泣くと「泣かない、泣かない」「お兄ちゃんなんだから泣かないね」。怒ると「そんなに怒らないの!」などと我慢させるようになってしまいます。これは子どもの感情を否定していることになります。
心を育てるためには「悲しいね」「痛かったね」「そりゃ怒りたくなるよね」などと共感し、感情を受け入れて思う存分泣かせたり、怒らせたりしましょう。特に「泣く」という行為にはストレスを発散させる力があります。
3.たくさんの抱っこを
発達心理学や、認知心理学では、「子どもが愛されていると最も強く感じ取る道具は皮膚である」といわれています。そこで私は、スキンシップは大切であるということを元に「8秒ギュ(抱っこ)」を提唱しました。
なぜ8秒か?8秒間とは「充分という満足を感じる最短時間」(※2015年5月:マイクロソフト発表)なので、最低でも8秒間はギュっと抱きしめましょう、という意味です。
抱っこをすることで幸せホルモンともいわれているオキシトシンが分泌されるために、
- 幸せな気分になる
- 脳、心が癒され、ストレスが緩和する
- 不安や恐怖心が減少する
- 他者への信頼の気持ちが増す
- 社交的になり、人と関わりたいという好奇心が強まる
- 親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる
- 学習意欲と記憶力向上
- 心臓の機能を上げることに効果的
- 感染症予防に繋がる
- 睡眠を促し、質のいい眠りをもたらす
とされています。「8秒ギュ(抱っこ)」が愛されていると感じ幸せになる、というのは、1、3、4、6の効用からでしょう。ぜひ、子どもを抱っこして、心を育ててみてくださいね。