こんにちは。垣屋美智子です。現在私はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
今回はメルマガ読者のかたからいただいた、「夫婦別姓を認めない民放と戸籍法について、合憲という判断がくだされましたが、これについて垣屋さんのご意見を伺いたいです。また垣屋さんご自身は、お仕事やプライベートで旧姓を使っていらっしゃいますでしょうか?もしそうであれば、その使い分けについても教えていただきたいです」とのご質問に答えました。
夫婦別姓は「差別的」
夫婦別姓についての問題は、考えれば考えるほどモヤモヤするので、あまり深く考えないように生きていましたが、せっかくご質問をいただいたので、今回は心のうちをお伝えしようと思います。
ちなみに垣屋美智子は、私の旧姓です。
まず、私はいまだに日本が夫婦別姓が違憲と言っていることに本当に驚いています。時事通信によると、夫婦同姓を法律で義務付けているのは世界でも日本のみで、国連からも2003年と2009年に「差別的」ということで勧告を受けています。
この変わりゆく家族や個人のライフスタイルに夫婦同姓は全く合っていません。しかも夫婦同姓が合憲の世の中では、ほとんどが女性のほうに負担があるように思います。
私からすると「本気でキャリアに影響するんで、男女格差のない世界とかESGとか言っているなら、まず夫婦別姓について取り組もうよ」って感じです。
夫婦同姓を義務にしても、進む家族の形の多様性
まず、夫婦同姓賛成論の人の意見として、「子どもがかわいそう」というのがありますが、これもはっきりいって時代錯誤な意見ですね。
私の子どもは海外の学校に行っていますので、そもそも夫婦別姓はOKの環境。ですから、母親の苗字が違うから家庭環境に問題ありとかそういう話になりませんが、夫婦別姓でも子どもは全くかわいそうではないと思っています。
そもそも実態は、夫婦同姓を義務付けている日本でも別姓使用が進んでいます。世間における別姓使用への違和感は減っていると思うのです。
たとえば、母親同士でLINEを交換したりして苗字が違ったとしても、「ああ、仕事で別姓を使用しているのね」くらいの感覚ですよね。
職場で旧姓を使用している女性もいるでしょう。そんなとき、学校の緊急電話などで職場に連絡があったとして、夫の姓を使って問い合わせられても、誰がわかってくれるでしょうか?
むしろ、夫婦別姓が通称利用で進むことで、学校現場と職場でギャップが増えていき、災害時の危機管理などの観点では危険な状況を作っているかもしれません。
「夫婦別姓を許可すると子どもがかわいそう」「家族主体で物事を考えなくなる」みたいな話は、女性の社会進出が進み、かつ家族の形も多様になっているいまでは、論点がずれているとしか言いようがありません。