みなさま、こんにちは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。きょうは「不登校」についてお話します。
さて、不登校になる原因は3つあります。
- 学校でトラブルがあった
- 親子関係
- 本人の課題
です。今回は「親子関係が原因の不登校」についてお話します。
「親子関係」が原因の不登校
これはどの原因についても共通なのですが、子どもが学校に行きたくない、行かないとなったときは慌てず「そう、あなたはそう思っているのね」「うん、あなたがそう思うのなら休んでもいいよ」の一言を掛けてあげてください。
「行く」以外の選択肢を与えていくのも、大人になるうえで重要なことです。
学校に行くことばかりを強要してしまうと、大人になって会社が辛くなったときに休めず、しんどい思いをしてしまいます。
「心も体も元気であれば行く、疲れてしまったときは休む」
人生ではこの2つが必要です。子どもにはバランスよく行動していける大人になってほしいですよね。
さて、話を戻します。
学校では特に問題もなく、むしろ先生からの評価が高かったり、友達ともうまくやっていたのに、突然不登校になってしまった…。
こんなとき、「問題がないのになぜ?」と不安になってしまうかたも多いと思いでしょう。不登校の原因には、冒頭でお話した通り「親子関係」もあります。これは主に「親に自分を理解してもらえない苦しさ」からくるものです。
学校に行かないのは、親へのちょっとした反抗心からきていたりします。
- こんなに頑張っているのに、ちっとも褒めてくれない
- やってもやっても「このくらい当たり前」って言われて寂しい
- 点数のいい兄弟ばかりに目を向けて、自分を見てくれていない
- いいときばかり褒めて、できないと怒られる
など、真面目で優等生・完璧主義タイプの子どもが抱えることが多く、お父さんやお母さんに褒められたい一心で、学校では無理をして頑張っているケースがあります。
- いい点数を取ると、お母さんが喜ぶから
- お父さんに褒めてもらいたいから
- 点数が悪いと、お母さんが悲しそうな顔をするから
と、このタイプの子どもは視点が自分になく、「親」になってしまっており、自分の為の勉強や行動がいつしか「親のため」になっていることがあります。もちろんこれは、お母さん、お父さんのことが大好きだからゆえのものなのですね。
「誰かを喜ばせたい、喜んでもらいたい」と思うことは素晴らしいこと。でも、すべての行動は「自分自身」のためにあります。
そして、優等生・完璧主義タイプの子どもが、頑張っても認めてもらえなかったり、ミスを指摘されると心のバランスが崩れてしまい、
- もうこれ以上頑張れない
- 苦しい気持ちをわかってほしい
という想いが湧き上がり、「学校に行かない・いけない」という状況に陥ってしまいます。でも、完璧主義がゆえにプライドも高く、苦しい気持ちを吐き出すことは恥ずかしいと閉じこもってしまうのです。
もし学校などで特に問題がなく、不登校になってしまった場合は、声掛けや接し方を思い返してみて、
- 結果だけを見ていなかったか
- 学校でトラブルなく過ごすのを当たり前だと思っていなかったか
- テストのできないところだけを言っていなかったか
- 100点のテストを「当たり前」だと思っていなかったか
- あなたは真面目で問題がないからと、子どもの気持ちを置き去りにしていなかったか
などを考えてみてください。
そして、
- できないところがあってもいいのよ
- お母さんも○○が苦手だったから、気持ちわかるわ
- お父さんも昔、勉強できなくて先生によく怒られたものだ
- どんなあなたでも大切だから
と、子どものすべてを受け入れてあげましょう。
- できない自分も自分、できる自分も自分
- どっちの自分も大切である
こう思えるようになることが、子どもの自己肯定感アップに繋がりますよ。
むしろ、不登校や難しい局面に直面した時こそ、自己肯定感を大きくアップできるチャンスです。
- 学校に行けなくなってしまった自分でも、親は見捨てずにそばにいてくれた
- ダメな自分でも好きだと言ってくれた
子どもがこう思うことで「どんな自分でも受け入れてもらえる」「どんな自分でも自分は愛されている」と強く思えるようになります。
子どもの不登校で、苦しい想いをしている人も多いと思いますが、こんなときこそ「親子の絆」を強く太くするチャンスですよ!
きょうの実践課題
- これまで真面目に過ごしてきた子どもが「学校に行きたくない」と言い出した際に、あなたはどのように声掛けをしようと思いますか?「学校に行きなさい」以外の言葉を書き出し、実際に声掛けしてみましょう。
- 先生に聞いても特に問題がない場合の行き渋りや不登校について、これまでの親子の会話を思い出し、子どもが頑張ることが当たり前になっていなかったか考えてみましょう。勉強、運動、生活態度、お手伝いなど、小さなことも褒めましょう。
お手元のノートで書き出してみてくださいね。書き溜めたノートは世界に一つだけの教科書になっていきます。
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