義母や義父、義実家とのお付き合いは、お互いに無理をしない程度のつながりが理想ではありますよね。
自分の実家との関係もあり、特にお盆やお正月などは足を向ける先の調整に悩むという人も多いと思います。
ないがしろにしているわけではないのに、「自分たちを優先しろ」と義実家が迫ってくるのはストレスが溜まるもの。
ある女性は義実家の思惑をどう乗り越えたのか、実際のケースをご紹介します。
腰の悪い義母にこき使われる日々
同い年の夫と3人のお子さんがいるマイさん(仮名/41歳)は、義母との関係に悩んでいました。
腰を痛めているという義母は、普段の通院や買い物でも義父が動けないときはマイさんを頼ることが多く、「仕事が終わったらまず義実家に行って義母の用事をこなす」ことが多々あったといいます。
「自分の実家なのだから、あなたももう少しお義母さんを助けたらどう?」とマイさんは夫に言いますが、仕事を理由に逃げられたら自分しか行ける人間はおらず、仕方なく義母のもとに通っていたそうです。
「夫は、その代わり買い物に行ってくれたり洗濯物を入れてたたんでくれたり、家事はしてくれます。『女同士のほうがいいだろう』と返されたらモヤモヤしますが、変に抵抗して義実家との関係が悪くなるのも嫌だったので、我慢していました」
マイさんのストレスは、義母の言動にもありました。
義母から電話でまた買い物の同行を頼まれたとき、たまたま残業の予定があったので「申し訳ありませんが」と断ったら、それを夫に告げられ「大事にしてもらえない」と愚痴っていたそうです。
「それをわざわざ私に言ってくる夫にも腹が立ちます。自分の親の世話を私にさせているのに、結婚しているのだから当然みたいに思っているのですよね。『そんなに言うのならこれからはあなたが行ってね』と返したら黙りますが、私ばかりなぜこき使われないといけないのか、いつか絶対にやめてやると思っていました」
理不尽な義母の要求
その年のお盆、マイさんはまず自分の実家に帰省するつもりでいました。
「私の実家はクルマで一時間ほどの市外にあって、お盆は母の姉の一家が訪ねてくる予定になっていました。滅多に会えないし、義実家には普段から足を向けているのだから、お盆くらいは私のスケジュールを優先してほしかったです」
「お盆の◯◯日は子どもたちと実家に帰省します」と義母に告げたとき、トラブルになります。
「『私の世話はどうするの!?うちだって親戚が帰ってくるのだから買い物やら準備があるのに、誰がするのよ!?』って、いきなり義母が怒り出して。嫌な顔をされるだろうなとは思っていたのですが、とにかく自分のことしか頭にない義母に本当に腹が立って、『お義父さんがいるじゃないですか』と正面から言い返しました」
これまで我慢してきたぶん、そのときは口が止まらなかったというマイさん。
義父じゃ運転も時間がかかると言い返す義母は、「親戚が来るその日までにはこちらに帰ってきます」というマイさんの言葉も無視して、「自分の実家より旦那さまの実家を優先するのが嫁でしょう」と呆れた様子で口にしたそうです。
「そのときはもう怒りが頂点を超えていて、『悪いけれど、あなたの用事をいつも受けているのは私だし、優先していますよね?』と冷静に返しました。『私の実家にも同じく大事な親戚が来るし、そんなに言うのなら夫を置いていきますので、そちらにどうぞ』と、私と子どもだけ帰省することを提案しました」
目がすわっていたかもと笑いながら振り返るマイさんは、滅多に見せることのない自分の怒りに、怯んだ様子で黙る義母を思い出していました。
義母はうろたえながら「お盆は来なくていい」と返してきたそうで、「わかりました」と答えてマイさんは自分の家に帰ったそうです。