結婚すれば新しくつながりが生まれるのが義実家ですが、配偶者にきょうだいがいる場合、義実家のなかで勝手に「上下」をつけられるなんてこともあります。
「長男だから」「次男の子は」と義実家の勝手な尺度で価値を決められるのは、気分がいいものではないですよね。
そんな扱いに耐えられなくなったある女性はどんな対応をしたのか、実際のケースをご紹介します。
義実家で目にする「次男」の扱い
35歳のマキさん(仮名)は、義実家での自分たち家族の位置について悩んでいました。
「夫は次男で、義実家のなかでは常に2番目なんですよね、3つうえの長男がなんでも最初で、夫はお風呂に入るのも寝るのもその後の状態でずっと生活してきたらしく、結婚してからは私たち家族ごと長男家族の次にされました」
親戚から届くお下がりの服も、まず長男家族の子どもたちに先に選ばせてマキさんの手にはその残りが渡される状態。みんなで遊びに行くときも、長男の意見を聞いて次男であるマキさんの夫が行き先を選ぶことはないそうです。
コンサルティング業を営む義実家では「家長制度というか、父親の意見が絶対で義母も夫たちも従うのが当たり前」らしく、そんななかでマキさんの夫が自分の意思を強く主張することはありません。
家業は長男が継ぐことが決まっており、長男家族は義実家で義母たちと同居。そんな状態も、次男であるマキさんの夫が肩身を狭くする理由ではと感じました。
驚いたのが「長男の息子には新品の高い筆箱を買い与えて、そのお下がりをうちの子に『まだ使えるわよ』と平然と言って渡してくる義母」で、たいしてほしいとも思わない筆箱をもらって子どもがうれしいはずはなく、それを無理やり「感謝しなさい」と仕向けないといけないことが、マキさんにはストレスでした。
お年玉の金額までつけられる「差」
「そんなに親しいやり取りはしないので普段はまだ我慢するのですが、本当にイヤなのがお正月で…」とため息をつきながらマキさんが話してくれたのは、長男の子どもとマキさんの子どもに渡されるお年玉の金額に差があることでした。
「親戚の人たちも集まるのですが、みなさんは長男の子にもうちの子にも態度を変えず笑顔で袋を渡してくださいます。本当にありがたいし、心から感謝するのですが、義母は違うんですよね。
『長男の子にはいくら、次男の子はこれくらい』ってわざわざ金額を口にしながらもったいぶって渡すので、息子はいつも居心地が悪そうで。
そりゃそうですよね、息子にとってはどうして長男の子が自分より多くもらうのかなんて理解できないし、『それよりした』の自分を感じさせられるんですから」
いただくものだから、と黙って耐えてきたマキさんですが、問題はマキさんの夫の態度にもありました。
「『あんたは次男なのに子どもはこれだけもらえるんだからね』って暗に感謝を要求する感じで言ってくるのも気分が悪いのですが、夫は反発せず『ありがとう』って返します。
息子はうれしそうじゃないのに『おばあちゃんにお礼は言ったのか?』ってそればかりで、頼りないというか完全に支配されている感じで」
なぜかほかの子より金額が下を明かされるうえに、父親は感謝することばかり求めてくる。こんな状態が子どもにとって健全なはずはなく、数年前からお正月に義実家に行くことをお子さんは渋りはじめたそうです。
「夫には正直に『あんな態度は子どもも私も気分が悪い』と話しています。でも夫は『母はずっとああだから』って、義母の状態を当たり前にするしこっちに我慢するように言うんです。
歯向かうことを知らないのは夫の勝手だけど、家族である私たちまでこんな状況に耐える必要があるのでしょうか…」
体調が悪いと言い訳して夫だけ義実家に行かせることも考えたそうですが、そう言うと今度は「体面が悪いだろう」「母が文句を言ってくるぞ」と脅しのような言葉を夫は言ってくるため、マキさんは仕方なく滞在は2日間とだけしっかりと約束させ、お子さんを説得して連れていくそうです。