結婚すればお付き合いが生まれるのが、配偶者の実家。
義実家からはさまざまな要求があり、断りづらいものなら仕方なく受け入れる場合もありますが、それも度が過ぎると接触を絶ちたくなるのが現実です。
お付き合いを見直そうと思うきっかけで多いのはお金が絡む要求ですが、ある女性は義実家からどんなことを求められたのか、夫婦でどう対応したのか、実際にあったケースをご紹介します。
以前から「ケチぶり」が目立つ義実家
1つ年上の夫と3人のお子さんに囲まれて暮らすミサキさん(仮名/42歳)は、義実家とのお付き合いについては昔から悩んでいたと言います。
「よく義母から声がかかって義父も入れた7人で食事に行くのですが、『◯◯に行きたいわ』とかお店の指定もするくせに自分たちは1円も払わなくて。
食べ終わってもう帰るかってときになるとテーブルの伝票を見もせずにさっさと外に出て、割り勘にしようとか提案されたこともありません。うちは子どもが3人もいるし、毎回そこそこ大きな金額になるのですが、義母たちに文句は言えませんでしたね」
夫は長男であるけれど、こんな「おもてなし」もしなくてはいけないのか…とミサキさんは家計簿を見ながらため息をつく日も多かったそうです。
ほかにも、買い物に行けば自分たちのほしいものを勝手にかごにいれて会計をさせたり、花火大会に出かけるときは義父のビールを何度も買いに行かされたりと、「ケチぶり」が目立つ義実家だったとミサキさんは振り返ります。
そんな自分の両親を、夫はどう思っていたのでしょうか。
「たまには自分も出せと言っているのは何度か見たことがあります。でも義母の返しは『うちはふたりともパート勤めでお金がないし、出したくても出せないのよ』が定番で、それ以上は夫も強く言えないようでした」と、そんな状態に不満を覚えつつも結局は受け入れるのが流れだったようです。
ミサキさんに対して「うちも無理なときは断っていいからな」と言うそうですが、「でも、実際はそうはいかないじゃないですか」と、「長男の嫁」として財布を任されている自分の立場の難しさを、ミサキさんは嘆いていました。
驚いた「要求」
その年のお正月は、県外にいる義母の妹夫婦がこちらに訪ねてくる予定になっていました。
義母の妹夫婦と一緒に、3人いるお子さんとともに長女も来ると聞いたとき、ミサキさんは「お年玉はいくら用意しよう」と考えて夫に相談します。
「そのご夫婦と長女さんとは以前もお正月にお会いしていて、私たちに負担をかけさせないよう自分たちで段取りをされる方々だったのを覚えています。
みなさん話しやすくてお子さんたちもかわいらしく、お年玉を用意すれば喜んでくださるのがわかっていたし、夫とポチ袋を買いに行くのも楽しかったですね」
年齢に開きはあれど一律で5千円と決め、渡すのを楽しみにしていたと話すミサキさん。
ところが、年末に義実家の大掃除の手伝いに駆り出されたとき、義母から驚くような言葉が飛び出します。
「長女さんの子どもたちに渡すお年玉を、うちが用意してと言われました。最初は意味がわからなくて、我が家ではもう準備してあると返したのですが、『違う違う、私たちが渡すぶんのことよ』って義母はあっけらかんと続けるのですよね…」
義母と義父から渡すお年玉の中身をミサキさん夫婦が負担してほしいと言っているとわかったときは、「思わず目をつぶりました」とミサキさんは暗い表情で言いました。
ひとまず夫に話そうと帰宅してから義母の要求を伝えると、夫は「何でうちがそこまで」とやはり抵抗を見せたそうです。
その場で夫は義母に電話をかけ、「さすがにお年玉くらいは自分たちで用意しろよ」と口にするのをミサキさんは聞いていましたが、「夫の返事からして、いつものように『うちはお金がない』を義母が押し通そうとしているのがわかりました。でも、そのときは夫もいつもより強気で、我が家は3人分もう用意していてこれ以上は出せない、とはっきり言っていましたね」と、夫の姿を頼もしく見ていたと言います。