「次男の嫁」の決意
「もうこんな人とは離婚しよう、とそのとき思いました」
暗い顔でマキさんは口にしますが、いまのところ、おふたりはまだ結婚生活を続けています。
お年玉で差をつけられることが嫌で泣いている息子に、マキさんの夫は何も言わなかったそうですが、自分の妻と親戚の女性が母親に反発する姿を見て相当に気が重くなったことは想像ができます。
「それからすぐ義実家を出ましたが、クルマのなかで夫には『お正月に義実家に行くのはやめるから』と宣言しました。息子もいたけど、あんな義母に気を使うなんてもうまっぴらです。
お年玉はそのまま手を触れず置いてきたし、これ以上惨めな思いをするのはイヤでした。これでまだ夫が義実家への体面を気にするようなら、本当に離婚していたと思います」
マキさんの言葉を黙って受け止めた夫は、その後義母とどんな話をしたのかわかりませんが、「正月は実家に帰らないことに決めたから」と後で言ってきたそう。
その後義母からマキさんのスマートフォンに電話がかかってきて、「どんな文句を言われてもくじけない」と腹をくくって着信を取ったマキさんでしたが、予想に反して義母の口から出たのは「お正月は大人げないことをしてごめんなさい」という謝罪でした。
「夫が何か言ったのかもしれませんが、詳しいことは話してくれないので知りません。でも、あの夫がみずから実家に帰らないと言い出すくらいのことはあったと見当がつきます。それで義母が慌てて私に電話をかけてきたのではないでしょうか」
ただ、謝罪はあったもののマキさんの気持ちは何も聞こうとせず、「また待っているから」と言い置いて電話は一方的に切られ、マキさんにはもやもやが残っています。
「謝ったのだからもういいと義母が思っているのなら大きな勘違いで、そこがはっきりするまでは義実家に行くつもりはありません。電話があったことは夫に伝えましたが、私は何も答えていないし解決もしていないとはっきり言っています」
これからマキさんの夫がどうするのか、マキさんの決断をどう受け止め、母親との関係をどうしていくのか。
「次男の嫁の決意ですよね。きょうだいの子どもに差をつけるなんて非常識を私は受け入れるつもりはありません」と力強く口にするマキさんは、今後についていろいろな方向で可能性を考えています。
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