生活の環境が近いようなママ友とは、一緒にご飯を食べたり買い物に行ったり、お付き合いの距離も近くなるもの。
どちらかの家にお邪魔して食事をと共にするような間柄は、楽しく過ごせるならいいけれど、甘えられると思いもよらないプレッシャーをかけられることもあります。
仲がいいとしても、自分の気持ちばかり押し付けるのはやはり礼儀から外れます。
ある女性はママ友とどんなトラブルを体験したのか、実際のケースをご紹介します。
一緒に過ごすことが多いママ友
「普段からおすそ分けはするけれど、こんなときまでねだられるとは思いませんでした」
そう言ってため息をつく山口さん(仮名/34歳)は、娘さんの通う保育園で仲良くなったママ友のことで悩んでいました。
お互い不規則なシフトで働く夫がいて、いわゆるワンオペで子どもたちと過ごすことが多く、そんな環境を知ってからはお互いの家を行き来してご飯などを一緒に食べていたそうです。
家は少し離れているけれど、子ども同士も仲がいいため「一緒に遊んでくれるのでその間に私たちはゆっくりお茶ができて、いい時間でした」と山口さんは振り返ります。
ママ友は明るく気さくな性格で、「ご近所さんからレタスをもらったのだけど、どう?」と気軽に声をかけてくれることが多かったそう。
山口さんも義実家からもらったお菓子などをママ友におすそ分けしていて、大きなトラブルもなく楽しく過ごせていたといいます。
そんなママ友と距離を置こうと決めたのは、ある年のクリスマスのことでした。
気合いを入れて作ったごちそうを
その年のクリスマスは、夫の仕事が日勤で夜は家族揃って過ごせることから、山口さんは張り切って夕食のメニューを考えていました。
「ふたりの子どももみんなでご飯を食べられるとわかって喜んでいて、予約するケーキを家族で選ぶのも幸せでしたね。私は夫や子どもたちの好きな料理を作りたくて、当日は朝からスーパーに行き食材を買い込んでいました」
料理が得意な山口さんは、時間のかかるローストビーフを丁寧に仕込み、ポテトサラダにエビマヨにとほかのメニューも進めていきました。
「そのママ友は旦那さんが仕事で、子どもたちと過ごすことになるのは聞いていました。うちの状況を知って『よかったね』と言ってくれてうれしかったのですが…」
夕方、ママ友から「園のお迎えの前に寄ってもいい?」と連絡が来て、「特に何も考えずいつものようにOKと返しました」と話す山口さん。
山口さんのお宅にやってきたママ友は、テーブルに並ぶごちそうを見て「すごい!これ全部作ったの?」と歓声を上げたそうです。
「テーブルには、仕上がったローストビーフやサラダ、下準備が済んで揚げるだけの鶏肉などが乗っていました。以前からママ友には料理のおすそ分けをしていて、私が作るのが好きなことは知っていたと思います」
「うちはもうスーパーで買うことにしたの」と話すママ友に、「作るのは大変だよね」と山口さんが相づちを打ったとき。
「これ、うちの分のおすそ分けはないの?」とママ友が尋ねました。