カウンセリング×心理療法の、問題解決型カウンセラー・前田泰章です。発行しているメルマガでは、人間関係の改善、日常生活や仕事に役立つ情報を、実体験を通して語っています。
人間関係の悩みで、「自分は対人恐怖症だ」と思っている人は、決して少なくないでしょう。
人前に出ると手が震えてしまう。顔が赤くなってしまう。言葉に詰まってしまう。
そして極度に緊張し、場合によっては吐き気や頭痛、腹痛などに襲われることも。これは、対人恐怖症に違いありません。
まず最初にお断りしておきたいのが、対人恐怖とは「人が怖い」という意味ではありません。
「人からどう思われているかが怖い」という、自意識が膨張して敏感になりすぎた状態のことを対人恐怖と呼ぶのです。
自意識のゴム風船から、空気を抜いてあげる
自意識の膨張という言葉がわかりにくければ、風船を例に出してみましょう。
人は、誰もがみんな小さな風船をもっています。自意識という名のゴム風船です。そしてこのゴム風船に思いっきり空気を吹き込んで、どんどんふくらませる。
このふくらみすぎたゴム風船が、いわゆる「自意識過剰」という状態なのです。
弾力があり、それなりに強度があるゴム風船も、あまり大きくふくらませすぎると危険です。
ふくらむほどゴムは薄くなり、ちょっとしたショックを受けただけで、簡単に破裂してしまいます。
つまり、自意識過剰の人が打たれ弱いのは、心が繊細だからというわけではありません。
単に自意識のゴムがふくらみすぎている、それだけなのです。
もし、あなたが「自分は対人恐怖症だ」と思っているとしたら、まずは自意識のゴム風船から、少しだけ空気を抜いてあげましょう。
自分の自意識を適性なサイズに戻してあげましょう。
特に疲れているときや、悩みの渦に埋もれているときは、自意識過剰になっていることさえも気づかないことが多々あります。
カウンセリングで自分自身のことを客観視するのは、まず現状を把握するためです。心理療法をおこなうのは、たとえ自意識過剰になったとしても、何とか対処できる手法を学ぶためです。
話し方や笑顔のつくり方などを練習するのは、そのずっと先のことでいいのです。
とにかく、無理のない理想を設定したり、ものごとの捉え方を変えてみたり、自分のなかだけの目標を作ったり…これらを意識して、自意識のゴム風船から、少しだけ空気を抜いてあげましょう。
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