新時代「令和」を迎えても、たびたび話題の中心にあがる「恋愛」「結婚」の話題。
誰もが気になるトピックスですが、今の最先端を生きる若者たちはどのような恋愛観や結婚観を持って、この時代を生きているのでしょうか。
若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.』が、around20と定義する15歳~24歳の女性を対象に「『令和』を生きる若者たちの恋愛観」に関する調査を行ないました。
早速、その結果をご紹介します。
「恋人がいる」は約3割。約7割が「趣味の時間」を重要視。中でも「ヲタ活」が活発
現状の恋愛事情について聞いてみたところ「恋人がいる」と回答した方は33%、「恋人がいない」と回答した方は67%となりました。フリーが多いSHIBUYA109ガールズですが、約8割は恋人がほしいと思っているようです。
さらに、これまでの交際経験人数は平均2.6人ということも判明。グループインタビューにおける回答では、中学校に進学したタイミングで初めて恋人ができる子が増えるようです。
小学生までは「両想い」止まりだったのが、遊びに行く範囲が広がる中学生になることがきっかけの模様。ただ、恋人といっても中学生のころの恋人は「友達の延長」に近いのが現状のようです。
「今、大切にしている時間」について聞いてみたところ、最も大切にしているのは「友達と過ごす時間(26.1%)」「自分の時間(26.1%)」。次いで「趣味に費やす時間(14.7%)」という結果となりました。
今の若者たちは「自分が価値を感じるもの・こと」にお金と時間をかけており、友達との時間や、趣味に時間を投資する傾向にあるようです。
また、趣味の多くは好きなアーティストやコンテンツの「ヲタ活」を指しており、「ヲタ活」は仲良しの友人たちと共有していることも多いことから「友達と過ごす時間」「自分の時間」 =「趣味に費やす時間」となっています。
「恋人がいない人」が半数以上を占めていることから、恋人と過ごす時間の優先順位は低い結果となっていますが、グループインタビューでは「趣味に費やす時間が恋愛の代わりになっている」という声も多く上がっています。
好きなアーティストやアニメの登場人物に恋愛にも似た感情を持つことで、疑似恋愛のような体験を通じて、恋愛したいという気持ちが満たされているのかも。「ヲタ活」の世界に没頭するのも、幸せな時間だといえます。
恋愛対象となる年齢については「5歳以上10歳未満」と答えた人が最も多く41.1%、次いで「1歳以上5歳未満」が36.0%、「10歳以上」が21.4%という結果となりました。
グループインタビューで「年の差カップル」について聞いたところ、肯定的な声が多く「年上の人は精神的に余裕があるからバランスが取れる」「経済的にも余裕があるため、同年代の友達よりもグレードが高いデートが楽しめる」など、精神・経済的な面での安定感を得られる点に、魅力を感じているようです。
では、結婚に対してはどのように考えているのでしょうか。
質問には「今すぐではないが、いずれはしたい」という回答が8割を占める結果となりました。結婚をしないという選択肢を持つ人が増えている中、現在でも8割を超える若者たちが、当たり前のように結婚を視野に入れて今を過ごしているといえます。
また、20代のうちに結婚をしたいとも考えているとのこと。グループインタビューでも同様の結果となっており、結婚後の生活については「共働きで働きながら協力して家庭を作りたい」「配偶者と協力しながら仕事と家事・育児を両立したい」という声が多くありました。
日常生活の中でも「割り勘」で過ごすことが当然となりつつある今の若者世代。結婚や出産を経ても仕事は辞めず、共働きを選択して家事や育児と両立していくことを当たり前に選択しているようです。
続いて「恋人」と「結婚相手」に求める要素を比較したところ、恋人に求める要素について最も多い回答となったのは、「性格が合う(77.7%)」「優しい(77.7%)」、次いで「顔がかっこいい・好みの顔(49.8%)」という回答になりました。
結婚相手に求める要素は、第1位「性格が合う(77.7%)」「収入が安定している(77.7%)」「優しい(75.4%)」という結果に。
4位には「自立している」が挙がっており「収入が安定している」「自立している」の順位が上昇していることから、結婚相手には安定と自立性を求めていることがわかります。
グループインタビューにて「自立」の定義を聞くと、経済的な観点よりも「将来について現実的に考えられている」「束縛など、相手に依存をしない」など「精神的な自立」を求める声が多く挙げられました。
先述の「平等に・協力して家庭を作っていきたい」という結婚生活に対するビジョンからもわかるように、現実的な観点で結婚生活を捉えている若者たち。恋人の頃の好きな気持ちだけではカバーできない部分を補える「精神的な自立」を結婚相手に求めているのかもしれません。
「結婚願望がある」と答えた人のうち、理想の結婚式は「大勢集めて盛大な結婚式/披露宴をしたい(55.9%)」、つぎに「海外/リゾートでしたい(35.2%)」となりました。
結婚を華やかに祝福されたい意識が高いことがわかる一方、「親族だけで挙げたい」という意見も約25%挙がっています。
「結婚式はせずに写真だけ撮れれば良い(5.6%)」「結婚式はしたくない(1.7%)」という意見も一定数挙がっていることから、結婚にまつわるイベントのミニマム化が進んでいることがわかります。
「SHIBUYA109ガールズが憧れるカップル」の質問では、第1位に「仲里依紗&中尾明慶(35.1%)」、次いで「木下優樹菜&藤本 敏史(32.7%)」、「北川景子&DAIGO (27.0%)」という結果となりました。
自由回答でその理由を聞いてみると、全体として「お互いを尊重・尊敬している」「対等な関係」「自立した関係」というキーワードが多数。
結婚相手に求める要素と同様に「お互い自分の時間や世界を大事にしつつ、それぞれ自立していたい」という、今のaround20女子にとっての理想のカップルの在り方がわかる結果となっています。
テレビで人気の芸能人カップルだけでなく、AbemaTV等の恋愛リアリティーショーで成就したカップルや、カップルYouTuberなど、さまざまなメディアでカップルで活躍している人たちも多く、彼らがSNSやメディアで2人の生活について発信している場合も少なくありません。
今のaround20は、有名人の恋愛事情がオープンにしていることをポジティブにとらえていて、恋愛も含めたライフスタイルに共感・憧れ・親近感を感じているようです。
経済的にも社会的にも、結婚という一大イベントを経ても、性別に関わらず活躍している現代の人々。
パートナー同士でどちらか一方に「頼る」のではなく、互いに自立し自分の時間も大切にしながら、対等な関係を築いていきたいという彼女たちの考え方は、このような時代背景が生み出した価値観であり、新しい時代でも、さらに加速していくことが予想できます。