「カウントアップ」で焦らず取り組ませる
Qテストの点数はそれほど悪くない小学生の息子。ただ、時間が足りないのか最後まで解けない。早く問題を解かせるために、スピードアップの練習をさせるべき?
A:カウントダウンは子どもが焦る原因にも。「カウントアップ」で子どもの実力を引き出そう。
柳沢先生:「『問題を時間内に解く」という概念は、もともと子どもにはないと思います。子どもなりにじっくり考えて納得した答えを書いているわけですから、それは非常にすばらしいこと。まずはそこを認めたうえで、時間内に解くことの大切さを理解させていくとよいのではないでしょうか』
時間内にやらせようとして、親としてついやりがちなのが「カウントダウン」。子どもによっては、逆効果にもなってしまうようです。
鈴木さん:「『残り10(秒)、9、8…」のように、大人でもカウントダウンをされると焦りますよね。焦ると、本来の実力を発揮できないことがほとんどです。私どもがおすすめしているのが「カウントアップ」。勉強にかぎらず、お子様が歯磨きや着替えなどをするときに「10秒までにやろうね」という形で、「1、2、3…」とカウントしていただくと、お子様も焦らず取り組めるかなと思います。
受験へのモチベーションをつくってあげる
Q:子どもに中学受験をさせるか迷っている。子ども自身に受験への興味を持たせるためにはどうすればいいのか。
A:積極的にいろんな学校に連れていき、子どもの「やりたい」を見つけてあげる。
柳沢先生:「一緒に学校説明会へ参加したり、学校行事を見にいったりしていろんな学校を見せてあげましょう。
子どもが「あの学校に行きたい」と口にするようになったら、そこへ進学するためには何が必要なのかを話して、理解してもらえばいいわけです。中学受験でも小学校受験でも、本人が「行ってみたい」という想いがあれば、やる気が出ます。やる気がないのにどんなにやらせたって身に付かないですし、時間の無駄です。
「この学校の制服が着たい」でも、「絶対にこの学校のこの部活に入りたい」でも、きっかけは何でもいいんです。本当にハマれるものに出会えると、人間は努力できます」
現在、子どもの小学校受験や中学受験受験を検討している人もいるかもしれません。無理やり受験をすすめるのではなく、子どものモチベーションをアップさせてあげることを優先させたほうがよさそうですね。
子どものよい人生のために親がすべきこと
親として「我が子にはやりたいことを見つけて、充実した生活や人生を送ってほしい」と思う人も多いのではないでしょうか。
そのためには、子どもの興味・関心を伸ばしてあげたり、自分の言葉で表現したり自分の頭で考えて判断できたりする賢さを身につけさせることが大切だということを、先生たちのお話を通じて感じました。
難しいことをしなくても、ちょっとした工夫や積み重ねで、子どもによい刺激や変化をもたらしてあげることができそうです。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。