毎年さまざまな切り口で新たなブームを生み出すシャンプー。約10年前の「ノンシリコンシャンプー」ブームから、数々のトレンドが生み出されてきました。
そして、2019年ころから注目されているヘアケアが、「カスタムシャンプー」と呼ばれるひとりひとりの悩みや髪質に合わせてオーダーメイドできる商品です。
この記事では、元コスメPRだった私が、今日までのシャンプーの進化といまビューティ業界で大注目されている「カスタムシャンプー」を紹介します。
シリコンは悪者?ノンシリコン信者が増えた「ヘアケア2.0時代」
私がコスメのPRをしていたのは2010年ころ。ちょうど「ノンシリコンシャンプー」がちまたに一気に広まりつつある時期でした。
少し前までは主にヘアサロンなどで取り扱われ、比較的高価なものだったノンシリコンシャンプーが、ドラッグストアで安く買えるようになったことに驚きました。
そして何よりもPRとして衝撃を受け、正直焦ってしまったのが、急速に広まった「シリコンは悪者」というイメージ。
担当していたブランドにシリコンシャンプーがあり、突然仕かけられた奇襲攻撃にどう対策するのか奔走する毎日でした。
当時、「シリコンは頭皮や髪につまりやすい」というようなウワサも流れていましたが、結論からいえばそのようなエビデンスは存在せず、正しい洗い方をすることがとても重要です。
シリコンが入っている、入っていないにかかわらず、洗い方が悪く、しっかり頭皮が洗われていなければ汚れが残ってしまいますし、すすぎが十分でなければ頭皮や髪に洗浄成分が残ってしまいます。こうした汚れや洗い残しが頭皮や髪にダメージを与えてしまう可能性があるのです。
大手企業も巻き込んだ「シリコン論争」は最終的に、泡立ちや、洗い上がりの手ざわりに差はありますが、どちらにもメリット・デメリットがあるということで着地しました。どちらを選ぶかは「好みの問題」ということで。
ノンシリコンはひとつのジャンルとして認知され、各社どちらのタイプも揃えるというパターンが増えています。
その後もこの10年間の間にヘアケアのトレンドは「ボタニカル」、「オイル in」、「スカルプ」、「ノープー」などのキーワードを次々に生み出しました。
この新しいジャンルたちは、ただ髪を清潔に保つためのシャンプーから、コスメを選ぶように個人のスタイルや好みに合わせて選択肢を広げました。