若いから安心、じゃない。「加齢臭」に要注意
加齢臭…イヤな響きですよね。若いときは大丈夫なの?と思えますが、そうではありません。加齢とともに発生しやすくなる一面があるだけです。
皮脂はさまざまな脂肪酸や脂質の混成物です。皮脂が酸化すると、過酸化脂質が増えます。この過酸化脂質がさらに酸化を促し、アルデヒド類が生成される…これが加齢臭の原因です。
アルデヒド類のなかでも「ノネナール」という物質が、古本や枯草、チーズのようなあの好ましくない臭いを発しているのです。
加齢により皮脂の脂肪酸構成が変化します。40歳を過ぎたころから、皮脂腺のなかにあるパルミトオレイン酸という不飽和脂肪酸(酸化しやすい脂肪酸)が増加します。この脂肪酸が酸化・分解されるとノネナールがよりつくられてしまうのです。
皮脂腺の比較的発達している、頭皮・うなじ・背中・脇・顔のTゾーンなどから臭いやすく、男性の方が臭いが強いとされています。
男性は女性より若干皮脂が多い傾向にあることと、加齢に伴う脂肪酸構成の変化が大きいことは事実です。なので、「加齢臭=中年男性」というイメージがついたのでしょう。
しかし女性だって、加齢に伴うこのような変化はあります。他人事ではありませんよ。また若くても子どもでも、ノネナールはつくられているのです。
ほかにも皮脂の酸化により発生する「ペラルゴン酸」という物質も加齢臭のひとつとされています。これは皮脂の分泌量がピークになる30代に多く、古くなった食用油のような臭いを放ちます。