みなさん、「イップス」という言葉を聞いたこと、ありませんか?「イップス」というのは、ゴルファーの間で使われ始めた言葉で、パターを打つときに「カップに入れなくてはいけない」というプレッシャーのために、身体が金縛りになったり、震えが止まらなくなったりして、ちゃんと打てなくなる現象のこと。
それまではすごく優秀で、いい成績を上げていたゴルファーがこのイップスに罹ってしまって、全然パターが入らなくなり、成績を急降下させることが現実にあったそうです。それから、ほかのスポーツなどでもこの「イップス」という言葉が使われるようになりました。
きょうは、恋愛の「イップス」についてお話しようと思います。
「恋愛イップス」、なぜ起こる?
なぜこのイップスという現象が起きるのか。簡単にいうと、「ボールがカップに入らないのではないか」という悪い妄想が頭をよぎり、それを頭から払いのけられなくなり、身体も精神も縛られてしまうという、一種の「脅迫症」になってしまうからなんですね。
人間というのは、脳の働きが発達しているため、物事を予測することができる生き物です。だから、「これをすればうまくいく」とか「これをしたらいけない」とか、常に予測判断しながら行動しているんです。
これは、恋愛に関してもそう。たとえば、好きな人に告白しようとしているとき。「もし僕が彼女に告白したら、彼女はどう反応するだろうか?」と予測しない人は、ひとりもいないんじゃないでしょうか?
近年では、決まって悪い結末を予測してしまう「恋愛イップス」に罹っている男性が増えています。これは多分、恋愛未経験もしくは異性と付き合ったことがない男性が増えているということとも、無関係ではないでしょう。
「未経験だとわからない」「わからないから恐い」「恐いから最悪のシナリオばかり妄想してしまう」「そしていよいよ恐くなる」という悪循環に陥るのです。
僕の経験だと、男性がまじめに告白した場合、それをせせら笑ったり、激しく嫌悪感を示して拒絶したり…という女性は、まずいません。女性というのは男性の数倍恋愛にまじめな人が多いし、男性から告白してもらいたいという願望が強い人も多いです。
OKするOKしないは別として、誠実な告白に対しせせら笑って拒否するとか、激しくにべもなく拒否するなんてことは、まずない。それは、自分の単なる悪妄想に過ぎないのです。