3.批判の正しい受け止め方を知る
ネガティブ思考に陥りがちな人のなかには、他人から自分が悪く思われないかどうかを気にする人がいます。他人からの批判に対して「打たれ弱い」ということです。このような人は、批判されると「自分はダメな人間だ」と無意識のうちに自分にレッテルを貼ってしまい、落ち込む傾向があります。
この「打たれ弱さ」があるために、他人からの評価が常に気になり、悪く思われないかどうか不安になって、ネガティブな思考になってしまいます。この人の課題は「他人からの評価に左右されない確固たる自分自身をつくる」ことです。そのために忘れてはいけない2つの重要なポイントがあります。
ひとつは、「他人からの批判は、自分の一部分を指摘されたに過ぎないのであって、自分という人間がダメだと評価されたわけではない」ということです。批判は部分否定であって人格否定ではない。
この当たり前で、とても大切なことを忘れないために、批判を受けたら、次のように心のなかで唱えるといいでしょう。「批判は、私の一部分について指摘されたに過ぎない」と。この言葉を何度も何度も唱えて心を落ち着かせましょう。
もうひとつのポイントは、「批判はあくまでもその人の個人的見解にすぎない」ということです。
全員が全員、同じように否定的に思うわけではありません。たまたまその人がそう思ったに過ぎないだけです。人にはそれぞれいろんな考え方や見方があります。
その当たり前のことを思い出せば、「たまたま誰か1人から受けた評価で自分の価値を判断するのは間違いであり、意味がないことだ」と気づけると思います。
あとは、他人からの批判を自己成長のために活用したいものです。その際に重要なのは、その批判で指摘された内容が正当かどうかをできるだけ客観的に検討すること。
もし正当だと思えば悪かったところを修正するように心がければいいですし、もし当たっていないと思えば聞き流すようにします。他人からの批判を自分が再評価するのです。
このように批判を正しく取り扱う方法を覚えれば、批判は自分にとって役立つものであり、ある意味、歓迎すべきものだと思えるようになることでしょう。
4.最悪の場合を考えてみる
ネガティブ思考になって不安や恐れに頭のなかが支配されると、人は思考停止状態に陥ります。本来であれば、これからどうすればいいか善後策を考えて行動に移すのが賢明な対応なのですが、思考停止に陥っているために、それができなくなっています。
この状態から抜け出して前向きな考え方ができるようになるためには、「最悪はどうなるのか?」を考えてみることが有効です。
恐れや不安を前にして立ち止まっているところから、1歩足を踏み出して、その先を直視してみようという勇気ある取り組みです。たとえば、「商談がうまくいかないかもしれない」とネガティブ思考になっているとき、最悪の場合、どういうことになると考えられるでしょうか?
商談がうまくいかないことで会社に損失を与える。上司に怒られる。クビになる。最悪を考えるとだいだいこんなところでしょう。さて、このように最悪を考えてみたら、どんなことに気づくでしょうか?「まさか、そこまではならないだろう」ということがわかるのではないかと思います。
そして、「できれば避けたいことだが、最悪もしそうなったとしても、なんとかなるだろう」と思えるのではないでしょうか?
そう思えたら、覚悟もできるはずです。もし最悪の事態になったら、それはそれで仕方がないと腹をくくり、とにかくやれるだけのことはやってみようと思えたら最高です。
そうしたら次は、「もし最悪の状態になったら、どうやってリカバリーすればいいだろうか?」と考えてみてください。
あるいは、「そんな最悪の状態にならないために、いまからできることはなんだろうか?」と考えてみるのもいいでしょう。ネガティブ思考に落ちいたら、このように最悪のケースをぜひ考えてみてください。