「今回の商談はなんとかうまくまとめたい。でも、やっぱりうまくいかないんじゃないか」と弱気になってしまったり、営業先で質問されてしどろもどろになってしまい、「きっと頼りないヤツだと思われてしまっただろうな」と自虐的になってしまう。顧客からクレームをうけ、「うまく納得させられるだろうか…」という焦りや不安を感じる。
年に1度の社内査定の時期。昇給や昇格を期待する半面、「どうせ私はダメなんだろうな」と悲観的に考えてしまう。長年の取引先から発注を打ち切られ、「もっと頻繁に訪問しておけばよかった」「兆候に気づけなかったなんて…」と、後悔や自己嫌悪を感じる。
これらの事例を読んで、自分にも当てはまるところがあると思われた人も多いかもしれません。きょうは、このようなネガティブ思考に陥ってしまう原因とその改善方法についてお話したいと思います。
なんでネガティブ思考になるの?
なぜこのようにネガティブな考え方をしてしまうのでしょうか?その理由をひとことで言えば、「成功への執着が強い」からです。
自分の思い通りになることを強く望んでいるがゆえに、「もしその通りにならなかったら嫌だ」「耐えられない」という意識が働き、あらかじめ予防線を張って悪い方に悪い方に考えてしまうのです。自分の期待を抑え込むことで、実現しなかったときに心が傷つかないようにしているのですね。
先ほどの例で考えてみます。商談をうまくまとめたいと強く思っている人は、もしうまくまとまらなかったら非常にショックを受けます。そのショックのダメージを少なくするために、「きっとうまくいかないだろう」とあらかじめ自分に言い聞かせておくことで、実際にうまくいかなかったときに、「ほら、やっぱりうまくいかなかった」と思うことで、ショックを軽くしようとしているのです。
「絶対にうまくいく」と楽観的に考えていたのに、うまくいかなかったときの落胆は大きくなりますよね。だから、あえて悲観的に考えておいて、ショックに備えようとしているわけです。
つまり、ついネガティブに考えてしまうのは、自分の心が深く傷つかないための防衛反応なのです。