おもしろいもので、「お金」「愛」「健康」の3つは、お互いを突き合ったりズラし合ったりしながら、支え合い、バランスを保とうと頑張っています。そのうちどれかひとつでも足りないと、バランスが崩れてしまう。それほど、このバランスは実に崩れやすいものです。
1個でも失えば、ほかの2個も失い、すべてを失うことになる。そんな仕組みになっています。きょうは、そんな「ハピネスのバランス」についてお話していきたいと思います。
「幸せ」のバランス
「お金」「愛」「健康」を三角形で示したとき、その三角形の大きさは人によって異なります。たくさんのお金や愛や健康を求め、三角形が大きくなる人もいますし、人によっては「どれも少なくていい」と小さな三角形になるかたもいます。
大きいからよい、小さいからだめということではなく、バランスが取れていることが非常に重要。数字にすれば億万長者でも、愛がなければ気持ちが沈んで体調を崩してしまうこともあるでしょうし、その結果すべてが不意になることもあるからです。要は欲の問題なのです。
「愛が1番だ」という人の場合、「自分は30歳まで生きてればそれでいい」と思う人もいるでしょう。実は私は若いころ、そう思っていました。
健康保険なんて入るのはバカバカしいと思っていたし、ヘビースモーカーでした。私の周りには、お酒などで早く死んだ人たちもいました。
彼らは子どものように純粋で素朴で愛だけを貫くアーティストたちでした。健康とお金への欲のない人たちでした。そういう意味では、彼らなりに幸せを勝ち得たといっていいかもしれません。
何も心配のないまま、好きなことを全うできて静かに死んだのですから。こういう人たちは愛こそ満ちていたかもしれませんが、健康を維持するためのお金が足らなかった(あるいはそのお金を健康を害するものに使ってしまった)ため、バランスを崩したといってもいいでしょう。
でも、彼らにいわせると「自分は長生きするつもりはなかった」。それならそれで割り切って幸せを勝ち得たのだからいいじゃないか、といえます。