学ぶ場所がない、正しい「避妊法」と「人工妊娠中絶」
次は避妊について、詳しくみていきましょう。東京都教育委員会は2018年9月13日、公立中学校における性教育の実施状況調査の結果を公表しました。
89%の学校が「性に関する授業は、医師などの外部講師を活用することが効果的」と答えた一方で、外部講師を活用している学校は23%だったのですね。
なかでも、避妊法や人工妊娠中絶など、中学校学習指導要領に示されていない内容の授業での指導を行っている学校(予定を含む)は、624校のうちたったの55校(9%)。
指導しているおもな内容は、「避妊法」27校、「人工妊娠中絶」11校など。生徒や保護者への事前周知については、生徒に周知している学校が80%、保護者に周知している学校が73%でした。
同年3月、東京都足立区の中学校の授業で行われた性教育が、都教育委員会から「不適切」という指摘を受けた事件があったのは記憶に新しいとは思うのですが、指摘された理由は、授業が「性交」や「避妊」に言及しており、中学の学習指導要領の範囲を超えているということだったのですね。
「授業のガイドラインにないから不適切」というのは、現実の世界とあまりにもかけ離れた見解なのではないかと私は思います。「じゃあ、どこで学ぶの?」となりますよね。
いまではネットで24時間、無料のアダルトサイトを観れてしまう時代です。過激な描写や、誤った表現・情報で、正しい知識を得られない環境のほうが、私としては不適切だと感じてしまいます。
というのも、誤った情報で判断した結果、悲しい思いや辛い思いをするのは子どもたちです。妊娠したことを誰にもいえずに、トイレで出産してしまった16歳の少女の事件などもその一例でしょう。