みなさま、こんばんは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。きょうは、「思春期の性」について、みていきましょうね。
さて、思春期に入ると「性の目覚め」がでてきます。そしてこの「性」というところ、日本人はとても苦手です。「なんか恥ずかしい」「何をどう伝えたらいいのかわからない」「照れくさい」など、オープンに「性」について、話せる親子は少ないのではないでしょうか。
また、学校での性教育も文科省からのガイドラインが厳しいので、使える表現に制限があったり、具体的なことは伝えてはいけないなど「これって何の授業?」と、子どもが理解できていないケースが大半です。
じゃあ、勝手に学んでいくのかというと、いまは昔と違いスマホ・ネットでの閲覧が普通ですから、誤った情報や過激すぎる描写で「こういうものだ」と勘違いしてしまうことがあります。
なので、ここはご家庭でしっかりと性についてや、異性との距離感について話していきましょう。特に、発達障害のある子どもは、一度記憶してしまうとその情報を書き換えることに時間が掛かります。年齢にもよるのですが、きちんと段階を踏んで教えていきましょうね。
まずは、「異性との正しい距離感」を
発達障害があってもなくても、1番に教えていくべきところは「異性との距離感」ではないでしょうか。
「お年ごろの女子にベタベタしない、ハグしない、近づきすぎない」など、男の子を持つ親御さんは特に気になるところですよね。女の子の親から見ても、思春期の男の子が悪気がなかったとしても、近づきすぎるのを見るとちょっと心配になると思います。
では、この「適度な距離感」ってどのくらいなのでしょうか。メルマガでも何度かご紹介しているのですが、具体的にいうと「新聞紙を広げたときの横の長さ」くらいの感覚です。この長さが、ちょうど「手を伸ばしても相手に触れない距離」なのですね。
新聞を取られていないご家庭は、100円ショップなどで大きめの模造紙を購入するといいと思います。こちらをクルクルと丸めて剣のような棒状にすると、より一層距離が「可視化」できるのです。
距離感を見せながら、「これ以上近づくと相手のプライベートエリアになるから、嫌がられてしまうんだよ。だから気をつけていこうね」と話してあげましょう。
また、女の子は防犯面からもこの距離感を覚えておくとよいと思います。日本語的にいうと、この範囲内のことを「間合い」といって、相手の攻撃範囲になってくるのですね。
抱き着かれたり、手を掴まれたりできる範囲になるので、不用意に近づかないようこの距離を保つことを教えていきましょう。ほかの方法としては、「手を伸ばしてその先に拳2個分くらいの距離がベストな距離感」という伝えかたも、すぐにできます。
性教育の初めの一歩は「相手を思いやる気持ちを持つ」というところからですので、適度な距離感を教えながら「サラッと普通に」、性について話せるような雰囲気を作っていってくださいね。