「タダ」が価値を生む
さらに実際的、実務的、実践的なのが、言葉の能力です。すぐ目の前の仕事に関わります。あしたの売上に関わります。来年の収入に関わります。同じエリアで同じ商品を取り扱っている店でも、言葉を適切に使いこなしているかどうかで、差がつきました。
同じ町内の着物屋さんでも、どうしてこんなに売上に差があるのか。言葉の使いかたで、物が売れたり売れなかったり、お客さんとの関係が良好になったりならなかったり、興味を持ってもらえたり気づいてももらえなかったりする。
有事に差が出る言葉の能力とは、「この言葉より、この言葉を使うほうが、ウェブサイトで反応が上がる」とか、「このいいまわしのほうが読み手に刺さる」とか、そんな小手先のテクニックではありません。もっと根本的なところに、違いがあります。言葉は、タダ(無料)です。実体がありません。だから、ゼロから価値を生み出すことができるのです。
Zoomなどを使って、リモートレッスンを始めた音楽教室があります。体の使いかたが重要になるのに、画面を通してリモートでレッスンできるのか。…できます。リモートでも言葉を駆使して価値を伝えられると信じ、その力を磨いている先生なら、画面を通した言葉はレッスンになります。しかし、「楽器なんだからリモートじゃ無理」と思っている先生の場合、画面を通した言葉は単なる連絡事項に過ぎない。
体操教室ですら、リモートでレッスンができる。「体操は集まって一緒に体を動かしてなんぼ」と信じているインストラクターの場合、画面を通した言葉は、単なるおしゃべり、無駄話に過ぎない。
「リモート環境でも、価値を生み出して言葉で伝えられる」と信じ、能力を高めているインストラクターにとって、言葉が価値になる。言葉という無料の記号を使って、あなたにはどんな価値を生み出すことができるか。無から有を作るのだから、価値は無限大です。そう考えると、ワクワクしませんか?
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