嫌味を「聞かない」という選択
Iさん、メッセージありがとうございます。
なるほど、介護が必要なお母様がいらっしゃるのですね。そして、そのお母様を見捨てられない、お母様はひとりではいきていけないから、見捨てたら死んでしまう。こんなふうに心配されているのですね。そりゃ心配ですよね。わかります。わかります。
もちろん、お母様を、薄暗い誰も訪ねてこない自宅の一室に放置して、とっとと家を出て東京に引っ越しちゃいなさいなんてことは、いくら鬼のさくやでもいいません(笑)。それはさすがにまずいですし、Iさんだって罪悪感を感じるでしょう。
まずですね、お母様の介護についてですが、行政の相談窓口に問い合わせて、援助してもらえることは遠慮なく援助してもらいましょう。もらえるものはなんでももらう、使えるものは何でも使わせてもらっちゃうんです。そのためにわたしたちは税金を納めているんですから。
そして、Iさんの中で線引きするんです。お母様のサポートは本当に必要なことだけする。あとはしないって。
たとえば、食事や衣服を着替えるサポートなどはするけど、愚痴やイヤミをきかない、などです。
愚痴やイヤミがはじまったら、「お母さんつらいんだね。わかるよ。つらいよね。だからいいたいんだよね。でも、聴いてるとわたしもつらくなっちゃうから席はずすね。ごはんの時間になったら戻ってくるよ?」とだけいって、あとはサッと離れる。別の部屋に行って自分のやるべきことを淡々とやる。
婚活したいんだったら、お母さんの愚痴やイヤミを聴いている暇があったら、別室に行ってスマホを開いてマッチングアプリをポチポチやる。
これでいいんです。全然問題ないんです。
リクエストを聞くも聞かぬも自由
あなたのお母さんの場合、何かイヤなことがあるたびに、誰かを捕まえて愚痴やイヤミをいうことが、イヤなことを乗り越える対処法なんです。それが彼女の独特のやり方なんです。ですから、「わたしがお母さんにいわせてるんだろうか?」なんていう反省は一切無用です。
あなたが別室に行ったとき、あなたに聴こえるようにこれ見よがしに大声でわめいても、お母さんがいる部屋にご機嫌取りに行っちゃダメです。
お母さんがわめくたびにあなたが動いちゃうから、わめけば娘はかけつけてくれると、お母さんは学習しちゃうんです。
お母さんがどんなにわめいても行かない。これを貫くんです。罪悪感のスイッチを押されてキツイでしょうけど。
なんなら近所のカフェとか公園にでも行っちゃう。そのうち、「泣いてもわめいても娘は操作できない」って学習しますから。
お母さんはかなり依存的になっていますから、「あれしてほしいこれしてほしい」といろいろいってくるでしょう。でも全部やる必要はありません。その都度、「これはするけど、これはしないね」とIさんが決めていいんですよ。
Iさんにリクエスト(とはいってもイヤミや命令口調なんでしょうけど)するのはお母さんの勝手です。
そして、IさんもIさんで、お母さんのリクエストをやるかやらないか、やるとしても、どこまでやってどこからやらないか、自分で決めていいんです。
おそらくいままで生きてきた中で、こういう発想はなかったでしょうから、最初のうちは難しいかもしれません。
でも、ちょっとずつご自分をトレーニングするんです。自分で決める、主導権を取り戻す、というトレーニングです。
このトレーニングは、のちのち、Iさんご自身の結婚生活でも生きてきますよ。応援してますね!
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