更年期に起きる代表的な肌トラブル
はじめにお伝えしておきますが、以下のようなトラブルが起きても、あたふたしてはいけません。慌てず焦らず、その状態に応じたケアを行いましょう。
ホットフラッシュ
汗や皮脂の分泌は加齢に伴って減少します。そこにエストロゲンの減少が加わり、汗の調整をうまくできなくなるのが、あの有名な「ホットフラッシュ」(ほてり・のぼせ・発汗)です。
エストロゲン減少によるパニックが自律神経にも影響し、血管の収縮拡張のコントロールがうまく働かなくなることで起こります。急激に顔や身体が熱くなったり、それを冷やすために異常に汗が出たりする症状です。
この症状を緩和するには、普段から汗をかく習慣を持ち、汗腺を休眠させないことです。身体中の汗腺が順調に働く状態があれば、ひどいホットフラッシュにはならずに済みます。
汗をかく習慣、といっても激しい運動の必要はありません。軽いストレッチやウォーキングでOK、それさえできない人は半身浴でもOKです。
乾燥肌・敏感肌
エストロゲンは、コラーゲンやヒアルロン酸などの産生を促すホルモンとしても働いており、これが減少することで弾力のない肌、水分を保持できない肌、つまり乾燥肌に導かれます。
さらに、ホットフラッシュによる一時的な多汗で肌がふやける、乾く…を繰り返せば、肌は乾きやすく硬くなり、バリア機能が低下します。バリア機能が低下すれば、かゆみを覚えたり、湿疹ができたりするなど、敏感な肌になっていきます。
このように更年期の間は、乾燥肌・敏感肌に陥りやすくなるのは否めません。だからといって、更年期専用のスキンケアがあるわけではありません。肌状態に応じたケアいのです。
長くなるので、ここでの解説は割愛します。下記の講義を参考にしてください。
シミ
ホルモンバランスが崩れることによって、肝斑というシミができます。このシミは目の下・頬辺りに出やすく、左右対称なのが特徴です。妊娠中にできるシミもこの肝斑であることが多いです。
ホルモンバランスが崩れるたびに、脳下垂体から「ホルモンバランスを整えよ」という指令を持ったホルモンが分泌されます。
ところが、このホルモンには都合の悪いことにメラニン生産を促す命令も含まれているのです。紫外線に当たらなくてもシミができるのはこのためです。
また紫外線によるシミもできやすい状態なので、UVケアを正しく行い、肝斑以外のシミを作らないようにしましょう。更年期が終わり、ホルモンバランスが安定すれば、肝斑は自然に消えていきます。