正しい姿勢は簡単ではない?
しかし実は、話はそう簡単ではありません。「姿勢を正す」とか「背筋を伸ばす」といっても、これ、そんなにすぐに実行できるわけではありません。
またはいつの間にか意識がボヤけて、ダラっとした姿勢に逆戻りしてしまうこともあるでしょう。よってここでは、正しい姿勢を取るためのポイントを「3つ」にわけて、誰でも簡単に実行できる手段に落とし込みました。
正しい姿勢のポイント1.肛門
まず重要なのは、「お尻をシメること」です。お尻といっても、大きなお尻の筋肉全体ではありません。「肛門」です。両足のフトモモに挟まれている、会陰部全体をギュッとシメるようにしてください。重ねて後ろから触れる、「お尻全体」ではありません。お尻の間です。
よくたとえとして「肛門に入った糸をギュッとしぼりあげる感じ」というものがあります。「どんな状況だよ」と思うのですが、イメージとして伝わりますでしょうか。とにかく肛門を中心としてギュッとシメるのです。
重ねて女性なら膣、男性なら男性器に付け根にかけて、あわせてギュッとシメるようにしてみてください。こうすると姿勢全体が引き締まります。またそれだけでなく、腹筋まで同時に絞まってきます。するとウェスト全体がギュッと引き締まります。
このとき、よく「腹筋だけヘコませようとする」人がいますが、そうすると腰が不安定になり、猫背や反り腰(腰が前に行きすぎること)になってしまうこともあります。
重要なのは、重ねて「肛門」をシメるようにすること。これは立っているときでも座っているときでも同じです。ギュッとシメることにより、全体の土台が安定します。
正しい姿勢のポイント2.鎖骨
次に「鎖骨」。鎖骨を前につきだして、みんなに見せびらかすようにしてみてください。それだけでも胸の筋肉が張り、前向きな印象ができるはずです。
また同時に息を吸い込んで肺にためて、「みぞおち」もセットで前に張りだそうとすることが重要。すると「肛門がしまり」「胸が前に突き出る」ことによって、より安定した姿勢になります。
特に胸は何より重要。落ち込んでいるのに、胸を張っている人はそうそういません。逆に胸を張ることによって、強制的に落ち込めない状態を作り出すのです。
正しい姿勢のポイント3.頭
そして最後に、頭。頭が上からヒモで引っ張られているようなイメージで、頭を上に持ち上げてみてください。
ここで大切なのは、アゴを上にあげないこと。アゴを引いて、その状態のまま頭頂部だけ吊り下げられている…。そんなイメージで姿勢を正してみてください。これこそが最終的な「背筋が伸びている」状態です。
ただ重ねて、「背筋」だけを意識してしまうと、下半身が安定しません。それこそ猫背のまま、ただ背伸びだけを意識している…なんて状態になってしまうリスクもあります。
重要なのは、いま話した3つ。
- 肛門をシメる
- 鎖骨(みぞおち)を前に見せびらかす
- 頭頂部を上に吊り下げる
この3つをポイントとして分割して心がけることで、総合的な意味で「背筋が伸び」て「いい姿勢」になります。すると最終的に、あなたの気持ちは前向きになり、さらに人に対してもポジティブな印象ができるようになるのです。
特に3つにわけることで、もしどれかの意識がユルんだとしても、残りの1つか2つはそのポーズを取ることができます。すると完全ではないにしても前向きな印象はできるはずです。