こんにちは、精神科医・心理研究家のゆうきゆうです。発行しているメルマガでは、人間心理を裸にして、あやつる技術をお教えしています。
さてみなさんは、つい「我を忘れて怒ってしまう」ことや、「気づくとボーッとして、いつまでも行動を起こせない」ということはありませんか?
もし思い当たる行動が多いのなら、今回はその大ヒントになるような「アイテム」をお教えします。
普通のゴムが「マインドフルネス」に効果的?
そのアイテムこそが、ゴム。別に特別なゴムではありません。輪ゴムやゴムバンド、またはゴム製の輪っかならば、何でも構いません。文房具や100円ショップで買える、シンプルなもので大丈夫です。
どんな輪っかでもいいので、それを手首に巻いてください。ブレスレットのようなイメージです。
サイズとしては、手首にちょうどハマるくらい。ほんの少しだけ遊びがあり、キツすぎないくらいのサイズにしてください。
男性なら、折径8~10cm、女性なら折径6~8cmくらいのものがおすすめです。とはいえ、厳密なものではありません。
あまりに大きすぎてもフラフラしてしまうので、ある程度は手首に止まるようにしてくださいね。サイズがあわなければ、切って結んだりしてちょうどよくするのもよいでしょう。
また輪ゴムでなく、ヘアバンドやゴムバンドなどでもOK。どんなものであっても、よく伸びて、手首にピッタリのものであれば、何でも大丈夫です。
さて用意できましたか?そしてここからがメインです。
そのゴムを、もう片方の手で引っ張って…パチン!と鳴らしてください。鳴らすということは、手首にパチンとあてるということになります。
もちろん、全力であてる必要はありません。ほんのり軽く、パチン!程度です。軽くて構いません。そうすると、打たれた方は、ほんのちょっと「いたっ…」くらいに感じるはずです。これこそが何より重要です。
そのたびに、マインドフルネス
この刺激と共に、マインドフルネスをしてみましょう。
マインドフルネスとは、一言で言うと、自分の感情に明確に気づくこと。
たとえば「あぁ、いまの自分は怒っているな…」「自分はいま疲れているな…」「いま肉を食べている。おいしいなぁ…」などのように、思考や感情の一つ一つを認識しつつ生きている状態です。
これ、実際はほとんどの人が行えておらず、たいてい無意識に生きています。
「いま何してるの?」と聞かれてはじめて、「あ、いまはご飯を食べていたな…」「そういえば少しイライラしていたかも…」と気づくような状態です。
この状態は、マインドフルネスの逆で「マインドレス(マインドレスネス)」と言います。
マインド(心)が「フル」にあふれているのがマインドフルネス。逆に「レス」こと、ない状態なのがマインドレスです。
人間の意識は、マインドフルネスかマインドレスネスか、「どちらかの状態しかない」と言われています。
たとえばいまのあなたは、何をしていますか?「あ、そういえばこの文章を読んでいるな」と気づくはず。そうなれば、この瞬間は、マインドフルネスです。
ただその意識はあまり続かず、すぐにまたマインドレスネスに戻ってしまいます。
もちろん、マインドレスネスが絶対にダメというわけではありません。そもそも大半の人は、マインドレスネスに生きています。
このマインドフルネスを広めたジョン・カバットジンという人物も、「一日に一呼吸でいいからマインドフルネスをしなさい」と勧めています。
たったそれだけですら行えていないのが人間。それゆえに、一日一回、一呼吸だけでもマインドフルネスになることが重要というわけです。
そして一呼吸だけマインドフルネスになるというのは、たとえば「いまこうして息を吸っている。鼻をくすぐる空気の流れがわかる…!そしていま吐いている。息が出ていってるなぁ…!」と感じながら呼吸をすることを言います。
このように、いまの自分に「気づく」ことがマインドフルネスなのです。
そして今回、ゴムをパチン!とするたびに、マインドフルネスのことを実践してほしいのです。
これを心理学では「ゴムバンド法」と呼びます。