輪ゴムこそが「いまここ」の証
実際、輪ゴムをパチン!と弾くことによって、音と軽い痛みが走ります。これによって、人間の感覚は強制的に「いまここ」に向きます。
そして「いまここ」を意識することは、まさにマインドフルネスそのもの。
いまの感覚を認識することをキッカケとして、「そうだ、いま、こんな風に感じているな…」ということを明確に感じることもできます。
まさにパチン!と弾くことによって、マインドフルネスのスタートを作るのです。
これを思い出すたびに実行してみましょう。するとマインドフルネスの訓練になりますので、ことあるごとに、マインドフルネスを意識することができるようになります。
またパチン!と弾かなくても、ゴムがついていることを、腕の感覚で思い出すこともあるでしょう。
そのときにも、やはり「あ、マインドフルネスをしないと…!」と考えることもできます。
いずれにしても、ゴムをつけることによって、マインドフルネスを意識する回数が絶対的に増えていくのです。
動きたいときにも「ゴムバンド法」
このパチン!と鳴らす方法は、マインドフルネスを意識する以外にも使えます。
たとえば、やってはいけないことをやりそうな場合。「お菓子を食べないぞ」と誓ったにもかかわらず食べたくなったときは、やはりパチン!と鳴らしてみてください。
それによって「あ、そうだ。食べないって決めたんだ」と思い返すこともできます。
またボーッとしてしまって、「そろそろ動かないとなぁ…」と思うこともあるでしょう。
そのときにも、やはりパチン!と弾くこと。すると「よし! じゃあ動くか…!」というキッカケにすることもできます。
まさに暴れ馬を止めたり、動かない馬を動かすために、愛のムチをふるうようなものです。
もちろん、両者ともにマインドフルネスを意識しても、同じ結果になります。
マインドフルネスを意識することで「あ、いま食べようとしている…。でも食べたくないという気持ちもある…!」「いま動きたくないとも思ってる…。しかし動きたいなという気持ちもあるんだ…!」など、自分の感情を全体的かつ客観的に理解することができます。
すると自然に「よし、食べないという選択肢を選ぼう」「今回は動きたいという気持ちに従おう」と思うこともできます。
マインドフルネスを通すことによって、総合的に「自分が強く望む方向」に動かすことができるわけです。