こんにちは。無料メルマガ「親も子供も一緒に伸びていく」で、塾講師の経験から得た知識をもとに、親子が楽しく学ぶための具体的な勉強のヒントをお届けしている、高久手はるかです。
きょうは、「子どもの国語力を伸ばすために家庭でできること」をご紹介します。
「国語が苦手」になってしまうのはなぜ?
「国語が苦手」という子どもは多いんです。塾だと、まずは算数!となりがちで、中学受験を目指していても国語を取るのが遅れてしまい、それが最後まで影響してしまう例をたくさん見てきました。
算数で文章題が苦手(得意ではない)なら、まずは国語!特に特殊算では、問題文を読んで状況がイメージできないと、計算どころではなくなります。だって、問題の意図がわからず、どうすればいいのかわからないのですから…。
国語の難しいのは、ここなんです。普段の生活ではこれといって不自由を感じないから、対策が遅れるんですね。国語が苦手なお子さんのお母さんやお父さんは、その原因に薄々気付いていらっしゃると思いますが、「言葉の種類」が少ない、つまり「語彙力」が不足しているんです。
このように書くと、「やっぱり読書!」と思われるでしょうが、読書はもちろん大事です。ですが、もっと大事なことがあります。
語彙力を増やすために家庭でできること
それは「家庭での会話」です。
子どもが幼いうちは、子どもに対して難しい言葉を使うことはないでしょう。しかし、親同士やより年上の子どもについてはどうでしょうか?
例えば、近所で何かのビルが建てられているとしましょう。外からでは何のビルなのかわかりません。小学校低学年の子どもから「あれって、何のビルなの?」と尋ねられたときに、お母さんも噂でしか知らなかったとしましょう。
そのときに「1.あくまでも噂なんだけど、大きな本屋とスーパーが入るビルらしいよ」と答えるか、「2.噂だと大きな本屋とスーパーが入るビルらしいよ」と答えるか。
1の場合、「あくまでも」という語の意味のひとつを子どもは意識のなかに取り込むことが可能です。別に2でも構わないのですが、子どもの言葉の数を増やすには、この場合1のほうが望ましいと思います。
何気なく大人が使った言葉に、子どもの方から「あくまでもって何?」って聞いてくるようになったら、その子の言葉に対するアンテナが感度よくなってきた証拠といえます。
実際に国語の説明文の問題で、「あくまでも」を「悪魔でも」と脳内変換してしてしまった子もいます。文脈的に絶対おかしいのですが、いったん頭の中に悪魔のイメージがよぎるとそれが離れなくなってしまうんですね。
ですから、普段からちょっと背伸びした感じの語彙を家族の会話に入れてみてください。
テレビを一緒に見ながら、出演者の言葉をピックアップして、「〇〇〇って、普段うちでは使わないね~」でもいいのです。ちょっとしたことからでも、少しずつ子どもの記憶に染み込んでいきます。赤ちゃんが生まれてからまわりで使われた言葉を聞き続けて言葉を覚えるように。
うちの子は国語が苦手で…という場合は、会話での言葉を見直してみてくださいね。
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