こんにちは。メルマガ「勇気の処方箋」で、世の中のさまざまな出来事を「アドラー心理学的に解釈するとどうなのよ?」という視点で切り取ってみたり、対人コミュニケーションや自分自身との向き合い方で壁に当たったときに読むとちょっとホッとしたり勇気が湧くような情報を提供している、公認心理師の永藤かおるです。
今回は、メルマガ読者の方から寄せられた質問やご相談にお答えするメルマガ内のコーナー「ちょっと御相談がありまして」の内容を、Webメディア「by them」でシェアしましょう。
ご相談「いい歳して引きずってます…」
私は40代の女性で、夫と小学生・中学生の娘がいます。
多分私は、とても恵まれていると思います。
夫は誰からも「優しそう」と言われ、実際とても優しいです。家事も育児も協力的ですし、多少気が利かないところはあるにせよ、こちらがお願いすれば嫌な顔ひとつせず、なんでもやってくれます。
娘ふたりにも、叱るときには叱る、でも基本的にとても愛情深く彼女たちを見守ってくれています。
でも、夫が娘に接する姿を見ていて、ときどき無性にイラッとするのです。
それは、自分が父親からそんな愛情を受けて育たなかったから、単純に嫉妬しているんだと思います。
私の父は、典型的な昭和の父親で、仕事人間でした。平日は夜遅くまで働き、休日は接待ゴルフかパチンコか、自分の趣味の釣り。私は釣りの餌が気持ち悪くて触れなかったので、仕方がないことだと思いますが、弟だけが父に釣りに連れて行ってもらっていました。
いまとなればわかるのですが、父も男兄弟しかいなかったので、女の私の扱いがわからなかったのでしょう。
中学生のころには、私も「お父さん気持ち悪い」とか「臭いから洗濯物別にして」とかひどいことを言っていました。コミュニケーションがうまくいかなかったのは当然です。
だからいま、夫が娘たちに対して愛情深く接し、娘たちもパパ大好き、という光景を見ていると、なんだか悔しくて苦々しくてたまらない気持ちがふいにこみ上げてくるのです。
でもこんなことは家族の誰にも言えません。自分の器の小ささが嫌になります。