気持ちを緩めて、楽になって
ああ、苦しくなります。
お父さんにそっけなくされてしまったときの、呆然とした小学生のあなた。お父さんと、はしゃいだ顔の弟さんが乗り込んだ車を見て、口では「別に釣りとか行きたくないし」と言っているあなたの胸中。お父さんの風呂上り、ビチョビチョに水が飛んでいるところとか、冬のコートとかのもわっとしたにおいにイラァっとするティーンエイジャーのあなた。
昨今、「仲良し家族」がやたらとフィーチャーされていますが、あなたやそれより少し上の私の年代では、思春期に女子が父親を嫌いになるのは通過儀礼みたいなものでした。
それなのに、いま目の前にいるパートナーは、娘さんたちと相思相愛。家族として、こんな理想的なことはないのに、あなたの気持ちはささくれ立つ。
「自分の器が小さい」なんて思わないでください。
だって、あなたは当時のお父さんの背景まで全部理解してさしあげているじゃないですか。お父さんだってどうしたらいいのかわからなかったんだろうと、思いを馳せてあげているじゃないですか。
もう、自分の気持ちの袋をぎゅっと紐で縛るのをやめて、少しずつ緩めていってはいかがでしょう?
パートナーにも、「子どものころ、私も父親と仲良くしたかったんだ~」とサラッと打ち明ける。お父様にも、「時効だと思うから言うけどさ、あのころ甘えたかったんだよね~」とサラッと打ち明ける。
相手がどう反応するかはわかりません。とくにお父様は、単純に自分が嫌われていたと思っている可能性大ですから、ビックリなさるかもしれません。
あくまでも、サラッと。40代の冷静なあなたならできるはずです。
そしてお父様は今70代でしょうか、80代でしょうか。いまのあなたと同じくらいだったあのころのお父様とは、ずいぶんと変わっているかもしれません。
時間は有限です。気持ちを緩める。誤解を解く。そして、いままで抱えていたわだかまりを手放して、少しでも楽になる。
もう、楽になってもいいんじゃないかな。
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