『説教したがる男たち』/著者:レベッカ ソルニット、翻訳:ハーン小路 恭子
『説教したがる男たち』は、フェミニズムを学ぶ人は聞いたことがあるであろう、「マンスプレイニング(mansplaining )」という言葉を広めるきっかけとなった本です。
マンスプレイニングとは、「man(男性)」と「explaining(説明する)」を組み合わせた造語で、男性が女性に対して上から目線な態度で物事を説明すること。私も社会に出てから、このマンスプレイニングにより、自分が女性であること痛感させられることが増えました。
本書では一部の男性が女性に対して説教したり、上から目線で教える場面など、日常で起きる理不尽な男女の権力関係につい述べられています。
また、最近よく耳にするフェミサイドについても書かれており、大変勉強になる一冊です。同著者による『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』もセットで読むことをおすすめします。内容量や文字の大きさもちょうどよく、私は1日で読み終わりました!
『男が痴漢になる理由』/斉藤章佳
『男が痴漢になる理由』を知った当時、kindleで無料販売していたので読んでみましたが、「何度も読み返したい!」と思った一冊だったので、後日書籍でも購入しました。
本書の「痴漢は違法ドラッグと同じように依存症である」という内容や、痴漢の犯人のほとんどが勃起せず、家庭をもつごく普通の男性であることに衝撃を受けたことを覚えています。
この本を読むまでは、痴漢の犯罪者は性欲をコントロールできなかったり、肌を露出した女性を狙っていると思っていましたが、それらは犯罪を起こすうえでの重要な動機ではないことを知りました。
そして、いかに再犯を防ぐことが難しい病気であるかが書かれています。電車に監視カメラを設置することは、痴漢を減少させることへの逆効果であり、犯罪者にとって「やめたくてもやめられない痴漢」の再犯を防ぐために、どのような治療法が行われるべきかまで詳細に書かれた一冊です。
『彼女は頭が悪いから』/姫野カオルコ
社会派小説として話題となった『彼女は頭が悪いから』は、2016年に起きた東大生5人による強制わいせつ事件がもととなって描かれました。最初は単調に物語が進みますが、最後の章になるにつれ悲惨な出来事が続き、本を読み終わったあとは後味悪く感じました。
ですがその気持ちだけで終わらすのではなく、学歴だけを過大評価して見る世間の目や、それらの価値観を受け入れて育てられた学生たちといった社会的な問題を提起する本となっています。
そして強制わいせつは、見知らぬ人による犯罪であることが認識されがちですが、友人や先輩、親戚など、身の回りの人によって行われる可能性があることも重々感じされられました。