若者の無力感を打ち消す方法。投票以外の政治参加を
それではどうしたら若者の政治参加が改善し、投票率が上がるのだろうか。
まず一つ目に挙げられるのは、被選挙権の年齢と供託金の引き下げだ。
日本の議員になることができる年齢は、もっとも若くても衆議院議員・都道府県議・政令市議などで25歳以上。ハフポストによると全世界の国会におけるの被選挙権年齢の平均年齢は21.9歳であることから、日本の被選挙権年齢は高年齢だということがわかる。
また、全世界の半数以上が18歳から21歳を被選挙権年齢と定めており、若いうちから議員の立候補ができる。そのため教育の観点からも制度のみの勉強ではなく、その国の現在の政治について議論し勉強することから、若者の政治への関心を高く保つことができるのだ。
そして、議員に立候補するときに一定金額を納める制度である供託金。選挙立候補.comによると、一般市議で30万円、衆議院議員では300万が必要になる。そもそもここで経済的格差が生まれてしまっているため、貧困に苦しむ人々の当事者意識がない人の立候補が多いのが現状だ。
「お金持ちじゃないと議員になれない」のであれば、経済格差で悩んだり国の支援を必要としたりする人々の気持ちがわかるわけがないし、低所得である若者が立候補もできず、政治への無関心は進むばかりだ。
「投票だけではなく立候補という政治参加のハードルを下げること」
これを実現するまでは、日本の政治はいつまでも『ある限られた人たちがやっていること』のままであり、『投票したい人がいない』という声は無くならないのではないだろうか。
次に挙げられるのは、具体的かつリアリティのあるわかりやすいマニフェストと発信だ。
若者の政治参加を促すために、SNSなどには「政党マニフェストチャート」のようなものを投稿している人がいる。たしかにわかりやすく活用する人が多いのだが、裏を返せば議員候補本人たちの言葉がわかりにくいから、誰かが作成したそれに助けられるのだ。
ただうるさいだけの選挙演説やテレビへの出演など、政党や議員のマニフェストを若者へ届けようとしているとは到底思えない。TwitterなどSNSでの発信もしてはいるが、フォロワー以外に届けようとする意識が低いように感じられる。
「若者のための一票を!」と選挙カーの上で叫ぶことよりも必要なのは、若者と呼ばれる世代に届きやすい動画のコンテンツや具体的な言葉、リアルタイムで感じたことなどをSNSで発信することなど、政治家と若者の間にある分断や当事者意識の有無を軽減させる “共感”を生ませることが考えられる。
若者世代の無力感。これを打ち消し、自分たちが世の中を変えられるという価値観を生み出すことで若者の政治参加が進む。その鍵となるのは、若者世代でありかつ一般市民の立候補や共感することのできるマニフェストと発信なのではないだろうか。
いま書き終えようとしているこの部屋の外でも、また選挙カーが大きな声で叫んでいる。どうかこの思いがその声の主に届きますように。
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