みなさま、こんにちは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。
さて、思春期に入る小学校高学年になると、進路を考えてくる子もでてきますよね。中学受験、高校受験、大学受験…と、思春期は受験を複数回経験しますから、親としても志望校選びには慎重になったりします。
でも、肝心の子どもがいまひとつ乗り気じゃない、やる気がでないというケースは、この時期の“あるある”。
「進路の話になると、途端に機嫌が悪くなる」「志望校を聞いてもどこでもいいと投げやりだ」と、反抗期とあいまって、話し合いにすらならないというご家庭もあるのではないでしょうか。
そっとして置くというのも、反抗期の対応のひとつですが、進路を決めるのには期限があるのでそうも言っていられませんよね。
そこできょうは、この時期の子どもにどんな風にアプローチしていったらいいのかをお話します。
子どもと話し合う姿勢
まず、あなた自身が進路や勉強の話をするときに、どんなことを考えているかをチェックしてみましょう。
「え?子どもじゃなくて、私?」と思うかもしれませんが、人は思っていることや考えていることが態度や雰囲気に出てしまいます。
思春期の子どもたちは、こうした大人の感情に敏感なので、気に入らないと話し合いに応じてくれません。なのでまずは、
- 自分が望む志望校を押しつけようとしていないか
- やる気のない態度にイライラしないか
- 急かしたり、焦ったり、脅して答えを導き出そうとしていないか
と、心を整理し、向き合う、話し合う姿勢をあらかじめ準備しておきましょう。
思春期の子どもとの話し合いは1度ではうまくはいきません。何度でも話し合うと最初から心に決めましょう。そのほうが、うまくいかなかったときにイライラせずに済みます。
志望校はどうやって決める?
肝心の志望校なのですが、大多数の子が「いま現在の偏差値や成績、知名度」で選んでしまっています。
「このくらいの成績だからこの辺でいいか」というのもなしではありませんが、非常にもったいないので、子どもと会話を重ねながら見つけていくようにしていきましょう。
なんとなくで選んでしまっている子に、志望理由を聞いていくと、答えがでてこないことが多々あります。こんなときは「その学校に行って、何がしたいと思った?」と、聞いてみましょう。このとき、予想外の答えが返ってきたとしても、絶対に否定してはいけません。
志望校を絞り込むときの大切な要素として、「やりたいこと出し」があります。夢でも希望でも、趣味でも、なんとなくでもよいのです。
自分が「やってみたい」という願望を存分に吐き出させることで、本当にやってみたいことが絞れるのですね。
もし子どもが話してくれないという場合は、「どうせ言っても無駄だから」「どうせ怒るんだろ?」と思っているから。そしてそれは過去に、自分の夢や希望を否定されたことがあるからです。
なのでまずはどんな意見でも、どんどん出させていきましょう。
- 入りたい部活があるから
- 制服がかわいいと思ったから
- 好きな芸能人の出身校だから
と言ってきたとしても、「へー、そんな風に思ったんだね、ほかには?」と話を続けさせてあげましょうね。
否定されない、好意的に聞いてくれていると感じると子どももどんどん意見だしてくれますよ。
そのなかから、校風や校則、通学路、勉強・運動、学校の特色や偏差値を交えて選んでいくようにしましょう。
きょうの実践課題
- 子どもと進路の話をスムーズにできていますか?話し合いができない、進まないという場合は自身の感情や声掛けを見直し、子ども主体で話せるようにしていきましょう。
- 子どもの志望校選びについて、あなたが望むところと子どもが望むところが一致していますか?一致していない場合はなぜ違うのかを考え、理由を見つけていきましょう。
お手元のノートで書き出してみてくださいね。書き溜めたノートは世界に一つだけの教科書になっていきます。
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