女性議員が増えるとどうなる?
ジェンダー格差が開いた日本で、性別ではなく個人としての能力で判断されるようになれば、今後の社会を変えることにつながります。
政治の場において、ほとんどが男性による意思決定が行われているために、男性視点での政策や法律が取り入れられやすくなっているのは事実です。
女性議員が増えることは女性の視点が加わること。では、女性の視点が加わることで具体的にどのような問題が可視化されるのでしょうか。
先述したように、女性は家事、育児といった無償のケア労働を強いられることで、家庭外での労働の機会を奪われてしまうこともしばしあります。出産を機に離職、その後正社員として働くことは困難となり、非正規雇用で働く既婚、出産女性の数が多いのが現状です。
2020年における非正規雇用の割合は、女性は54.4%と男性の22.2%と比べて極めて低いことが結果として出ています(男女共同参画局)。
さらに、「非正規=低賃金」という事実も忘れてはいけません。民間給与実態統計調査によると、2019年における正規雇用の平均年収は503万円と、非正規雇用の3倍を上回ることがわかりました。
女性の非正規雇用問題だけでなく、性被害やセクハラ問題、選択的夫婦別姓など、さまざまな課題が存在しており、それらの課題がまずは語られることから始める必要があります。
見逃されてきた当たり前を当たり前でなくするためには、女性の意見を聞く政治体制を整えることが根底にあります。
政治は議員だけの問題ではない
「女は育児、家事をし、男は働いて家族を養うべきだ」といった社会の雰囲気により、女性だけでなく多くの男性も苦しんでいます。
女性が政治の場で活躍することは、必ずしも女性だけのための未来をつくるためではありません。女らしさ、男らしさといった社会的抑圧からの解放にもつながり、性別ではなく個体として判断する環境への第一歩でもあります。
政治の場に女性議員が加わることは、一人一人の選択肢を広げるためのアクションでもあるのです。
また、この問題を議員間だけの話にとどめるのではなく、自分ごととして考えることも重要です。
たとえば、関心をもったニュースを周りに話してみたり、女性視点の意見をSNS上にアップしてみたり、選挙に行ってみる。議員事務所にメールや電話で意見を届けることも可能であり、議員ウォッチに掲載された引用文を活用すれば、簡単にアクションに移せます。
政治は個人に直接関わることであり、我々の未来が決まると言っても過言ではありません。少しでも多くの人が社会を自分ごととして考えることが大事なのです。
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