各種名義変更の大変さ
無事、「藤原」になりましたということで、銀行講座やら免許証やら保険証やら、さまざまなものの名義変更手続き開始。
結婚して「佐藤」になったときにも味わったけど、本当に面倒くさい。夫も全部「藤原」に変更しないといけないので忙しそう。ふふふ。少しは姓が変わるということの大変さがわかったかね?
土日や祝日は、役所も銀行も警察署も業務時間外ということで手続きできない。私はフリーランスなので平日でも時間を作りやすいし、夫も平日休みの仕事なので問題なかったけれど、会社勤めをしている人たちはいったいどうしているのだろう。わざわざ会社を休んで平日に手続きしているのだろうか。
こういうときこそ、マイナンバーカードに登録すれば、全部の情報が自動的に変更されるようになったらいいのに。マイナンバーって何のためにあるんだ。
まぁ、銀行口座に紐づけられて、政府が国民の口座残高を調べられるようになっちゃうのも嫌だけどね。となると、やっぱりひとつひとつ地道に変更手続きしていくしかないのか。姓が変わるって本当に面倒だし、大変だ。
そして私は、選択的夫婦別姓を強く望む
今回の一連の騒動は、夫婦別姓を選べていたら避けられたと思う。
相手の姓になるか、自分の姓のままでいるか選ばせてくれたっていいじゃないか。結婚したらどちらか一方の姓にならなければならないと法律で決められている国なんて、世界でも日本くらいだ。(参考:時事通信)
私が望んでいるのは、必ずしも夫婦別姓にしてほしいということではなく、同姓にするか別姓にするか、選びたいというだけ。その権利すらないなんて、どう考えたっておかしい。
それぞれの姓でいるために、一度離婚をして、内縁関係でいることも考えた。でもそうすると、たとえば相手が倒れて病院に運ばれても「家族じゃないから」と面会を拒否されるとか、よくドラマで見るようなことがおこるんだろうか。
私は何も同姓になることを否定しているのではない。同じ姓になることで、「結婚したんだ」という実感が湧いて嬉しいという人もいるだろう。
けれど、名前は個人のアイデンティティに関わるとても重要なものだ。自分の姓を変えたくないし、相手にも変えてほしくないという人だってきっとたくさんいる。
日本の夫婦同姓制度には、個人の自由がなさすぎる。「選べるようにしてほしい」というのが、そんなに許されない望みなのか。
マイナンバーカードなどでは旧姓併記ができるようになったそうだが、正直「そういうことじゃないんだよな」と思ってしまう。
私の場合、旧姓を併記したところで、「藤原って書いてあるけど、本当は佐藤なんだよな」と、姓が変わってしまったことを逆に強く意識してしまう。
名前って心の問題、アイデンティティの問題だから。「私は藤原なんだ」と、自分のアイデンティティを取り戻すには、やっぱり戸籍上も「藤原」であることが、私には大切だった。
旧姓併記したところで、私のアイデンティティは守られない。だからこそ、私は「選択的夫婦別姓」を強く望む。
「選択的夫婦別姓」が実現したら、夫も望むのなら「佐藤」に戻してほしい。だって、私にとって夫はいまでも「佐藤」だし、これからもずっと「佐藤」だし、本人もきっとそうだろうと思うから。
私が「藤原」であることを求めたばかりに、夫には負担を強いている。本当に申し訳ないと思っている。夫婦が、誰もが、自分らしく生きるために、「選択的夫婦別姓」は必要な制度だと、私は思う。
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