考え方は十人十色
身体の有り様を変えるということには、当事者によって本当にさまざまな考え方があります。
同性婚が施行されない日本では、身体の性が同性のパートナーと本当に結婚したいのなら、身体の性別と戸籍を変えることが結婚する唯一の方法です。もしかしたら同性婚の施行を待つよりずっと早く結婚できるかもしれません。
しかも僕のようにメンズ服が好きで、表現したい性も男性寄りでパートナーが女性の場合に対し、オペを受けてもいい、受けたいと考えているのではと感じるかたがいるかと思います。
それも一概に言えることではなく、Xジェンダー(性自認が男性にも女性にも当てはまらない人)やノンバイナリー(性自認と性表現が男性にも女性にも当てはまらない人)で、身体の性で言えばパートナーが異性でオペを望むかたもいますし、僕のようにパートナーの身体の性が同性であっても変えない選択をするかたもいるのです。
もっと言えば、心の性が生まれ持った身体の性の異性であるFtM(Female to Male)やMtF(Male to Female)のかたであっても、必ずしも性別適合のためのオペを望むわけではありません。
さまざまな理由からオペを望まない、選ばないかたもいらっしゃいます。オペを望む場合でも胸だけ、生殖器だけ、どちらもとどの程度望んでいるかは当事者によって異なります。
身体と心、どちらの性とパートナーの性がなんであっても、身体の有り様を変えるオペへの考え方は本当に人それぞれで、どの選択をするかも自由なのです。
より自分らしい選択を
LGBTQ+の存在が広く知られるようになったことで、誰にも自分の本当のジェンダーやセクシュアリティについて話すことができなかった、かつての世の中から本当に少しずつですが変わりつつあります。
そのなかで身体の性に対して、当事者本人が望む選択を以前より選びやすくなってきました。しかしそれもあくまで以前と比べてのはなしです。
今後は本人がオペを望む場合も望まない場合でも、家族や勤め先などの周囲のかたや当事者が暮らす社会の理解、サポートによってより自分らしい選択ができるようになっていくことを願っています。
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