こんにちは。韓国在住歴4年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
韓国では先日、韓国第2位のインターネットポータルサイト『ダウム』や韓国最大の無料通話メッセンジャーアプリ『カカオトーク』などを国内外に展開している韓国のインターネットサービス会社「カカオ」のサーバーが火事になるという事故がありました。
生活に結構な被害が出たのでずっとニュースで流れていましたが、日本ではあまりニュースとして取り上げられていなかったみたいですね。(参考:日テレニュース公式YouTube)
今回はこのニュースについて詳しくお話しします。
韓国での生活に必要不可欠な「カカオ」
ちなみにこちらが韓国で流れたニュース。韓国語ですが、日本語字幕をつけられるので韓国語がわからなくても大丈夫です。
このニュースからもわかるように、韓国でカカオが使えなくなると生活に大きな影響を及ぼします。
日本ではLINEが主に使われますが、日本のLINEと韓国のカカオでは、ユーザーたちの依存度が全然違います。
カカオが提供しているサービスは、韓国での生活に必要不可欠。メッセンジャーとしてのカカオトークだけではなく、カカオタクシー、カカオマップ、カカオナビ、カカオペイなどカカオが仕事の手段になっていることが多いのです。
カカオは10月15日から16日にかけて使用不可だったのですが、その間、カカオタクシーの運転手さんはお客さんから連絡を受けることができませんでした。
韓国でタクシー運転手さんは自営業でされている人が多く、さらには道で人を拾うよりはコールを受けてそこまで行くことがほとんどだったので大打撃。この2日間の売り上げの平均は、いつもの3分の1だったそうです。
ほかに影響を受けたのは、カカオのライブ機能を利用してホームショッピング番組を仕事にしている人たち。この人たちは全く仕事ができなかったので、利益はゼロになりますね。
筆者は仕事上ではメールや電話を使うことがほとんどなので特に不便はなかったのですが、韓国のサイトのログインの際にカカオトークのIDを使っているので入れなくて困りました。
「夫婦喧嘩」にも影響が!?
今回の事故の原因はサーバーの火事です。人為的なミスではないので、韓国人はカカオに対して怒っている人はあまりいません。「まあ、火事だったら仕方ないよね」って感じです。
この事故が終わった後にカカオトークは正式な謝罪をして、今回の事故で被害があった人たちには賠償をしていくことを発表しました。
とりあえず一件落着したカカオトークでしたが、YouTubeのコメント欄や、SNSにおもしろいツイートがあったので一部ご紹介します。
「カカオサーバーがダウンしたの?普段から連絡してくれる人がいないから全然気づかなかった」
「いつも通りの生活をしていた。悲しい」
さらに注目を集めてちょっとした話題になったのは「夫婦喧嘩」です。
ある夫婦がカカオトークでけんかをしていたのですが、急にサーバーが使えなくなってしまったとのこと。
夫は「喧嘩中にカトク(カカオトークのことです)が使えなくなった。私が言い返そうとしたところなのに。くやしすぎる」とつぶやいていました。この夫婦はいったん喧嘩を保留にして、家に帰って喧嘩の続きをしたそうです。
今回のカカオトークの事故で人々の生活は不便になりましたが、火事で負傷した人や亡くなった人はいませんでした。不幸中の幸いですね。
もし、日本でも「LINE」のサーバーが火事になってしまったらどうなるのでしょうか。トークアプリだけでなく、「LINE Pay」や「LINE TAXI」などがいまよりもっと普及したら、同じように大きな影響が出そうですね。
- image by:Koshiro K/Shutterstock.com
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