みなさんこんにちは。韓国に暮らして14年、私は現在ソウルで留学生対象にシェアハウスを運営しています。
1年も終わりに近づいてくると、最初は韓国の生活に不安がっていた留学生たちも、気がついたら韓国語で会話ができるようになり、すっかり韓国の生活に慣れたのだと感じられます。
ここ韓国での年末年始のイベントと言えば、日本と同じように「クリスマス」と「お正月」があります。ここでは韓国の年末年始についてお話しします。
韓国の「クリスマス」
全国民の20%がキリスト教と言われる韓国では、12月25日は祝日。韓国のクリスマスは日本と似ていて、留学生たちは友人や恋人とクリスマスを過ごす人が多いです。
11月に入ると、韓国の街並みは一気にクリスマスモードへ。特に明洞やソウル支庁前などのクリスマスイルミネーションは本当に綺麗で見ごたえがあります。
そんななか、韓国に来ている交換留学生と韓国語学堂留学生は12月の過ごし方が少し異なってきます。
交換・正規留学生達の年末年始
韓国の大学に通う「交換・正規留学生」は1〜2月の長い冬休みに入る直前の12月に大事な学期末試験があります。そのため、12月は試験勉強に集中するのです。
大体どこの大学もクリスマス前には試験が終わるので、試験を終えるとすぐに家族の元へ一時帰国する留学生が多め。
特に欧米からの留学生は、クリスマスや年末年始を家族と過ごすことをとても大事にしているように感じられます。
語学堂留学生達の年末年始
韓国語を学ぶための「語学堂」で勉強している留学生たちの年末年始の過ごし方は少し異なります。
語学堂は一般的に1年で春夏秋冬の4つの学期があり、冬学期は12月から2月までの約3カ月間です。
韓国は旧暦の旧正月を重要と考えているため、新暦の1月1日(日本での元旦)以外は休みでは休日ではありません。一般企業も銀行も12月31日、1月2日が平日なら通常営業です。
これは、もちろん語学堂も。なので、語学堂に通う語学堂留学生たちは年末年始も学校へ行かなくてはなりません。
私も韓国に来たばかりのとき、この「お祝いモードの少ない年末年始」にとても驚き、また寂しく感じました。恐らく韓国で初めて年末年始を過ごす留学生たちも同じように感じるのではないでしょうか。
とはいえ、韓国が新暦の1月1日 (日本での元日)を全く祝わないわけではありません。12月31日から1月1日の早朝にかけて、海沿いへ向かう高速道路は、日の出を見に行く車で大混雑します。
また、ソウルの中心地などではカウントダウンのイベントも行われます。留学生はこのようなイベントに参加したり、友達の家に集まって新年を祝うパーティーをしているようです。
大晦日や元旦だからといって閉まるお店もあまりありません。特に学生街では、31日から1日の朝方までうるさいくらいにぎやかです。
韓国の正月は旧正月がメイン
韓国が「お正月を大切にしてない」わけではありません。
韓国では日本の元旦にあたる新暦の1月1日ではなく、旧暦の1月1日(旧正月)を大きく祝います。
この旧暦の1月1日(旧正月)を韓国では「ソルラル」と呼びます。旧暦1月1日の前後2日、合計3日が祝日になり、土日と合わせて大連休になることも!旧暦なのでソルラル連休の日付は毎年異なります。
ちなみに…韓国の20代くらいからうえの世代では、まだまだ誕生日に旧暦を使う人が多いです。私の韓国人の夫はまさにその世代で、住民登録上の誕生日は10月なのに、本当の誕生日は旧暦の8月です。
そしてその本当の誕生日は旧暦なので毎年日付が変わってしまい、毎年カレンダーで確認が必要になります。
今年はうっかりその確認を忘れてしまい、誕生日当日に本人からの報告で誕生日に気がつきました。
旧正月ソルラル連休は旅行をさけて
旧正月ソルラル連休は親戚や家族が本家に集まる習慣があり、ソウルから地方に向かう高速道路は「民族大移動」と言われるくらいの大渋滞になります。
また、旅行に行く人たちで仁川空港も大混雑。ソンラル連休中は韓国国内でほとんどのお店が閉まり、市内は閑散とします。
1〜2月に韓国旅行を考えている人は、必ずソンラル連休日程を事前に調べて旅行計画を立てましょう。
新年の挨拶は1年に2回?
韓国では日本の「あけましておめでとう」という新年の挨拶にあたる「セへボクマニパドュセヨ」という言葉があります。
これは「新しい年、幸福をたくさん受け取ってください」という意味で、新暦のお正月(日本での元旦)の12月31日~1月1、2日にかけてこのメッセージが飛び交います。
おもしろいことに、旧暦(太陰暦)の旧正月ソンラル連休にも、またこの同じメッセージが飛び交うのです。
韓国に来たばかりのときは少し理解ができませんでしたが、最近は特に迷いなく1年に2度新年の挨拶をしています。
イベントいっぱい!韓国の年末年始
このように、挙げてみると韓国の年末年始も12月末から1月下旬までイベントが盛りだくさんです。
日本と似ているところもあれば、全く違う部分もあって戸惑う人も多いでしょう。
12月、1月は1年でも特に寒い時期なので、留学生にとって少し寂しい季節になるかもしれませんが、日本では決して体験できない「韓国の年末年始」は別の意味でいい思い出になると思います。
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