こんにちは。韓国在住歴4年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
韓国ドラマや韓国映画を観ていると「占い」「呪い」「予知夢」のようなものが多く登場します。
日本でも占いの館や夢占いのような遊びはあるのであまり気にしていなかったのですが、韓国で暮らして4年、韓国ではこれらを重要視する人が多いように感じます。
韓国では、「コンビニよりも教会が多い」と言われています。お寺に通う人も本当に多いです。
日本でも初詣やお宮参り、風水などはありますが、それ以上に依存している人が韓国では多いのは印象的です。
最近の若い人たちはあまり信じていませんが、それでも親世代が信じているので少なからず影響を受けます。
そこで今回は、筆者のまわりの韓国人が信じているものについてお話します。韓国人と結婚する予定がある方、韓国人と付き合っている方、韓国ドラマをもっと深く知りたい方、必見です!
妊娠を知らせる「胎夢(テモン)」
韓国には「テモン」というものがあります。日本にはない言葉ですが、漢字を見ればだいたいどんな意味か想像がつきますね。
読んで字のごとく、「胎児の夢」であり、子どもができたときに見る夢を指します。
この夢は妊娠したお母さんが見る場合もありますし、近い親戚が見ることも多いです。
なんと小学校の国語の時間で自分のテモンを家族に聞いて、みんなの前で発表するなんて時間もあるようですよ。
テモンにははっきりした定義がないのですが、だいたい動物がでてきたり、なにか特別なものをもらったりすることが多いです。
たとえば、筆者が日本語を教えている生徒のテモンはおばあちゃんが見たもので、「買い物から帰ってきたら玄関にトラ2匹が待っていて、足を引っ張られた」らしいです。
なんと生徒は双子なので、そのトラ2匹が赤ちゃんだったんじゃないかと話してくれました。
別の生徒の話では、「釣りをしていたらキラキラした大物の魚が釣れた」という人もいました。
ほかにも、家の庭に多くの果物の木がなったり、昔の偉人が出てきて妊娠したことを伝えてくれたりするそうです。
ちなみに時々義母から、「家にトラがきた夢を見たけど妊娠した?」「最近鳥が内に来る夢を見るんだけど…どう?」と連絡が来ます。本当に韓国ではテモンが重要なんだなと感じますね。
「他人の夢」を買い、自分のものにできる?
また夢の話ですが、韓国では「他人の夢を買う」ということがあります。
たとえば「お金を拾った」「宝くじに当たった」「芸能人と結婚した」という夢を見た人がいたとします。その人にお金を払うと夢を買うことができ、買った人には夢に近いことが起きると言われています。
今年の旧正月で家族が集まったとき、お義母さんが「家に豚がやってきた」と話していました。韓国では豚の夢は一番縁起がよく、必ずいいことがあると言われています。
その話を聞いて、親戚のおじさんが5万ウォン(日本円でだいたい5,000円ほど)で買っていました。
ほかにも、日本語を教えている高校生の生徒は、夢をお父さんに売っておこずかいを集めていると話してくれました。
先ほど話した豚の夢、お父さんの会社がすごく大きくなった夢、お母さんのダイエットが成功した夢を見るとお父さんに報告し、売っているそうです。
お父さんは予知夢を信じている人ではないそうですが、それでも念のために買ってくれるそうです。
筆者も気になって、夫に「豚の夢を見た」と話してみたら「それは君の夢だから大事にしてね」と言われました。
買ったらその人の夢ではなくなるので、こういう風に言われることもあります。夢を売るにもスキルが必要なようです。
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