夢を叶えた彼氏を見て、自己嫌悪に陥る日々
「私がクォーターライフクライシスに陥ったのは、彼氏が仕事で成功し、夢をつかんだときでした。周囲が彼氏を褒め、かっこいいと認めているのを見て『私は彼氏よりも劣っている』『こんな私が彼氏の側にいるなんてきっと迷惑に違いない』『私のことを、きっとみんな邪魔だと思ってるはず』と思うようになってしまったんです」
夢を叶えた彼氏を身近で見ている日々が続き、自分自身への劣等感がどんどん膨らんでいったというチヅルさん(29歳)。
自分への自信をどんどん失い、クォーターライフクライシスに突入してしまいます。
「自信がなくなると、彼氏の些細な言葉にも傷つき、うえから目線でものを言われているように感じてしまいました。『きょう残業してくるね』という言葉さえ、『暇なお前と違って、俺は忙しいから』というふうに受け取ってしまうんです。そんなひねくれた考え方しかできない自分に余計腹が立ち、ますます自己嫌悪に陥っていきました」
自分への自信をどんどん失っていったチヅルさん。その劣等感は、彼氏以外の場所へも向いていきます。
「同僚が成功していれば、『どうして私じゃないの?』と落ち込み、自分が怒られたら『どうして私ばっかり!』と腹が立ちました。自分の身の回りで起きることすべてにイライラしたんです。それと同時に、あのときもっと自分がああやって行動できていれば、こんなことにはならなかったのにと、とにかく自分を責めました」
しかし、ある日チヅルさんは彼氏の言葉で自分の考えを改めるようになります。
「ひねくれた考えばかりの私は、その当時彼氏としょっちゅう喧嘩をするようになっていました。その喧嘩の最中、彼氏が『ぐちぐち言うなら行動しろよ!』と言ったんです。そう言われたときにハッとしました。彼氏のこと羨ましがって、嫉妬して文句を言っている時間があるなら、その時間で反省して次の行動に移せばいいんだって」
そうしてチヅルさんは、自分のネガティブ思考を手放せるよう、嫌だなと思った感情をすべてノートに書くようになりました。
「いまの自分を引きずっているのは、周囲がとにかく羨ましくなって、自分がダメだと感じてしまうネガティブ思考。その想いを手放して前向きな思考になろうと自分なりに精一杯考えた結果でした。小さな挑戦を積み重ね達成感を得て、自信をつけるようにもしました。ゆっくりでしたが着実に効果はあって、いまでは堂々と彼氏の隣で胸を張れています」
他人と比べすぎることで、自分に劣等感を感じ、幸福を感じにくくなってしまうクォーターライフクライシス。
自分の内面と向き合ういい機会だと捉えれば、決して無駄な時間ではないでしょう。