周囲よりも早く子どもが生まれ、置いてけぼりな気持ちに…
「私は23歳で授かり婚をし、入社一年で会社を辞め、すぐに専業主婦になりました。子どももかわいくて大好きだし、夫も優しくてとても素敵な人です。しかし仕事のやりがいを持ち、自由に遊んで生き生きと暮らしている同年代の友人たちをみているうちに、だんだんと置いてけぼりな気持ちになってしまいました」
アカリさん(30歳)がクォーターライフクライシスに突入したのは、ちょうど26歳のころ。子どもがイヤイヤ期に突入し、心身共に疲弊していたころでした。
「仕事もしていなかったので、そのときは四六時中泣き叫ぶ子どもと2人きり。まだ幼稚園に入れるような年齢でもなく、児童館に行っても、年齢のせいか周囲のお母さんたちにはなじめず一人ぼっち。SNSを見れば、友人たちの楽しい旅行やお出かけの写真。閉塞感が日に日に増してしまい、その当時は毎日気持ちが鬱々としてました。
いつになったら終わるんだろう、どうして私は旅行に行けないんだろう、毎日ちっとも楽しくない…。子どものことが大好きだからこそ、そんなことを考えてしまう自分に余計腹が立ちました。大切な我が子がいるのに、1人になりたい、母親をやめたい、そんなことまで考えるようになったんです」
そんなアカリさんの気持ちを救ってくれたのは、ほかでもない、夫でした。
「夫が、周りの人と君は違うよって言ってくれたんです。周りの人はたくさんの物を持っているように見えるかもしれない、キラキラ輝いていて羨ましいと思うかもしれない。でも、君だって周りから見れば、みんなが持っていないたくさんの宝物を持っているんだよと。それをいちいち比べていたらきりがない。自分の手に持っているものを大事にしようって。そのうえで、仕事を再開してみたらどうかと提案してくれました」
子育てを辞めることはできない、だけど自分の時間を増やすことはできる。そうすれば閉塞感が減り、楽しいことややりがいが増え、毎日がいまよりも輝くのではという夫からの提案でした。
チヅルさんはその言葉に背中を押され、思い切って仕事へ復帰します。
「夫の言う通りでした。仕事を始めてみると、前まで周囲に対して抱いてた羨ましさがスッとなくなっていったんです。やりがいが増え、閉塞感もなくなったからでしょうか。苦しい気持ちを感じなくなり、幸福を多く感じられるようになりました。そして自分がどんなに大切でかけがえのない宝物に包まれていたのか、改めて実感できるようになったんです。
おかげであれだけつらかった子どものイヤイヤ期も、強く乗り越えられるようになりました。むしろ『友人たちのためにここで経験して、みんなのアドバイザーになるぞ!』なんて思えるようになりましたね」
SNSの発達により、嫌でも周囲と比較してしまう…そんな悩みを抱えている人は多いでしょう。
比較し続けて自分の手に持っている幸福を見失ってしまうと、クォーターライフクライシスに突入してしまうかもしれません。
そんなときは少しだけ立ち止まって、自分の心の声に耳を傾けてみましょう。何が苦しいのか、いまどうしたいのか、本音を知ることで解決方法が見えてくるはずです。
悩みが自分を強く、大きく成長させてくれると、前向きにとらえることも大切ですよ。
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