6歳差の姉弟を育てるママライター、EMIです。アルツハイマー型認知症の母との過ごし方についてコラムを執筆しています。
突然ですが、離れて暮らしている親の介護が必要になった場合、どうしますか?
「自分の家庭も仕事もあるし、地元に帰って同居するのは難しい」「何かあったときにすぐにかけつけられないのは心配」「遠距離介護は続ける自信がない」
さまざまな不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
そのようななかで、親を自分の家や近所に呼び寄せる「呼び寄せ介護」と言われる選択肢が増えてきています。
今回は、「呼び寄せ介護の実態」の実態についてお伝えします。
都会で増える呼び寄せ介護の実態とは
都会で増えている「呼び寄せ介護」。よかれと思って自分の親を呼び寄せたけど、それが返って逆効果になる場合もあるのです。
高齢になってから環境を変えて新しい場所で生活をすることは、相当なストレスがかかります。
いままで親しくしていた人との交流がなくなり、土地勘もないので買い物ひとつ行くにも苦労。そうすると、だんだんと家に閉じこもりがちになる危険があるのです。
もちろん、お互いにとってメリットもありますが、デメリットもあるということを理解しておく必要があります。
近くにいることが親孝行だと思う子と、住み慣れた場所にいたい親
子どもとしては、「自分が側にいて面倒を見ることが親孝行で親にとっても最善なこと」だと思う。
しかし、親からすれば「多少の不便があったとしても住み慣れた家で生活したい」と思う。
呼び寄せ介護がうまくいかない理由として、このようなお互いの思いの食い違いが生じていることが考えられます。
実際に内閣府が平成30年に行った「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果」に次のような質問があります。
「自分の身体が虚弱したとき、住まいをどのようにしたいですか?」
この調査から、「自分の体が虚弱しても現在住んでいる場所に住みたい」という人が半数以上いることがわかります。
これに対して「子どもの家に移りたい」と考えている人は7.9%とごくわずか。
親は自分の「体が虚弱しても慣れ親しんだ場所に住み続けたい」という思いが強いことがわかります。