こんにちは。神戸メンタルサービスの平です。私はセラピストとして20年以上活動し、年間60回以上のグループ・セラピーを、またこれまでに約4万件の個人カウンセリングを行ってきました。
「恋愛がうまくいかないいちばんの原因は“不機嫌”である」。私は、いつもみなさんにこうお話ししています。
パートナーの機嫌が悪いと、みなさんはこんなふうに思いますよね。
「なによ、その態度!」「私と一緒にいて、おもしろくないわけ?」
そして、あなたもパートナーの不機嫌に共鳴して不機嫌になって、ふたりの関係はよくないほうへと向かっていくわけですね。
そうなると、そこには「我慢をするか」「ケンカをするか」のふたつの選択肢しかなくなってしまいますが、ケンカを好まない賢い日本人は我慢するほうを選ぶことになります。
そして、あなたが我慢する人になったとしたら、「私がこんなに我慢しているんだから、あなたもちょっとぐらい我慢したらどうなの?」と、パートナーのことも我慢させる人になります。
すると、我慢させられる人は不機嫌になる…というネガティブ・スパイラルが発生し、ふたりの関係を破綻へと導いていくわけです。
「相手の不機嫌」に飲み込まれないで
そこで、このネガティブ・スパイラルに巻き込まれないためにみなさんに学んでいただきたいこと。それは、「相手の不機嫌に飲み込まれない」ということです。
不機嫌なとき、その人はなんらかのメッセージを発しています。
「自分の不機嫌であること気づいてほしい」「そして、私の機嫌を直すのは、あなたの仕事だよ」というものです。つまり、不機嫌とは依存的な態度のひとつと言えます。
そして、不機嫌な人はたいていコミュニケーションを閉ざします。
あなたが「どうしたの?なに怒ってるの?」などと問いかけても、「別に…」とか「なんでもないよ」としか答えません。
そんなふうに言われると、こちらとしても、「ああ、そうかい。一生、そうしておきな!」みたいな気分になってしまいますよね。
実は不機嫌な人は、「自分で自分の機嫌が取れず、どうすればいいかがわからない」と混乱している状態にある場合が多いようです。だから、あなたにいい気分にしてもらいたいと思っているのです。
不機嫌な人も、その状態でいるのを好んでいるわけではないのですね。
好まないものの、感情のコントロールができないわけです。人によっては、そんな自分がいやで、隠したいと思うこともよくあります。
そして、感情のコントロールは苦手だけど、一晩寝たら、次の朝には上機嫌に戻っていたという人も少なくありません。
そのマイペースぶりに、振り回される側としては、「なんなのよ、その態度。私にケンカ売ってる?」と攻撃したくなったりすることもあるでしょう。
しかし、それをしてしまうと不機嫌の問題はこじれていきます。
だからこそ、パートナーが不機嫌であっても、その不機嫌に飲み込まれず、あなたはあなたで上機嫌のままでいることが大事なのです。
そして、「なにか原因があったのね」「私は私で機嫌よくしているからね」と伝えることができれば、大惨事になることは避けられます。
そのときは静観し、しばらく経って相手の感情が落ち着いているときに声をかけてみることもおすすめです。不機嫌なときよりもずっとラクにコミュニケーションできると思います。
たとえば、「この前のあれは、いったいなんだったの?」とか「ああいうとき、私はどうすればいいのかな?」と聞いてみるとよいでしょう。
不機嫌になりたいわけではないのだけれど、感情がうまく抑えられない人はいます。
そして、不機嫌というのは、なんらかの助けを求めるメッセージだということを覚えておいてくださいね。
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