みなさんこんにちは。韓国に暮らして14年、私は現在ソウルで留学生対象にシェアハウスを運営しています。
きょうは、「韓国にはあって日本にはないもの」についてお話します。
国全体が「スヌン」を応援する空気感
韓国には、毎年11月に「スヌン」と呼ばれる試験があります。正式な名称は「修学能力試験」。日本でいう大学入学共通試験にあたるものです。
韓国に来てまだ間もないころ、一時帰国で日本から韓国へ戻るときのこと。午後1時〜2時ごろに仁川空港に到着する飛行機に乗りました。もうすぐ着陸というくらいまで仁川空港に近づいたとき、機内アナウンスが流れました。
それは「現在スヌン(修学能力試験)のリスニングの時間にあたるため、着陸待機をしている」という内容。離着陸の騒音がリスニング試験を妨害する恐れがあるので、リスニングが終わるまで旋回しながら待機をしていたのです。
窓の外を見ると、別の飛行機も旋回しながら着陸待機しているようでした。スヌン(修学能力試験)は飛行機までも動かしてしまいます。
そして機内でも「そうかきょうはスヌンか~」と納得し、それに抗議する乗客は一人もいませんでした。
このように、韓国では国全体でこのスヌン試験を応援しているのです。
毎年スヌン(修学能力試験)の日は、学校・役所・銀行・会社等の始業時間がなります。受験生が試験場まで向かう際に通勤ラッシュなどに巻き込まれるのを避けるためです。遅れそうになれば、パトカーで試験会場まで送り届けてくれるんだとか。
韓国の受験生にとって、それほどスヌン試験は大事な日ということなのですね。
ソウル市ではすべての小中高校で「給食無償化」
私には小学生の子どもがいます。子どもの毎日の楽しみのひとつが、給食です。
保護者用の学校のアプリケーションには、毎日給食の写真も送られてきます。各教室で食べるわけではなく、学校構内に広い食堂があり、クラスごとに別れて食事をとっているそうです。
メニューも豪華で、栄養バランスもとれていて毎日とてもおいしそうです。
実は韓国では、2001年から一部の自治体で給食無償化が始まっています。ソウル市は2011年から小学校を対象に無償化が始まり、2021年にはソウル市すべての小中高での給食が無償化されました。
また、夏休みや冬休みも一定所得に満たない家庭の子どもには無料で給食が提供されます。
無料なので、給食費を払う・払わないで学校と保護者がもめるような話は聞いたこともありません。とてもいいことだと思います。